「葬儀の平均費用195万円」が怪しすぎる理由

信憑性に欠ける数字を濫用するメディアたち

多くの葬儀情報サイトやテレビ番組は、一般財団法人 日本消費者協会が発表した「葬儀についてのアンケート調査報告書」に掲載されたデータを基に平均費用を紹介しています。同協会は3~4年に1度、葬儀業界に関する調査を行っており、2014年の第10回調査で葬儀の平均費用は「188万9000円」、2017年の第11回調査では「195万7000円」と発表しました。

ところが、同協会が発表するデータは2つの問題を抱えています。

「サンプル数」と「調査方法」に問題アリ

まずサンプル数が少ないことが問題です。日本では毎年120万人以上の方が亡くなっていますが、日本消費者協会は第10回調査では370人、第11回調査では491人にしか回答を集めていません。

ちなみに、この調査では地方別の平均費用も紹介されています。近畿地方の葬儀の平均費用は210万5000円と紹介されていますが、サンプル数はわずか10件。この事実からも信憑性に欠けるデータだとわかるのではないでしょうか。

そしてアンケートの調査方法が、いびつなのも問題です。葬儀費用にまつわる調査ですから、本来であれば「葬儀費用を実際に支払った人」のみを対象とすべきです。ところが、日本消費者協会の調査では「ご家族に葬儀があった人」を対象としています。つまり、“葬儀費用を実際に支払った兄や母など、ほかの家族からの伝聞情報”を基にした回答も有効としているわけです。

アンケート回答者の何割が、実際に葬儀費用を支払った人なのかはわかりません。ですが、回答者のほぼ半数が葬儀費用を支払っていない人たちだと推測します。

というのも第10回調査の場合、A(葬儀費用全体)の項目を答えた人は370人いましたが、Aの項目を構成するB(葬儀会社への支払い)の項目回答者は218人、C(料理屋への支払い)は183人、D(寺院への支払い)は227人しかいません。

B、C、Dは葬儀費用を払った人でないと答えられない項目なので、もしかすると実際に葬儀費用を支払った人からの回答は半数程度なのかもしれません。この問題は最新の第11回調査でも解決されないままです。

以上の理由から、ネットやテレビ番組でもよく引用される日本消費者協会の発表する葬儀の平均費用は、あまり鵜呑みしないことをおすすめします。

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