日本型組織の女性管理職がイケてない訳 なぜ女性は「お局」化するのか?

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女は男の8/7の速さで年を取る

東洋医学の分野では、「女性は7の倍数」「男性は8の倍数」の年を節目に、体に変化が訪れるとされている。具体的には、女性の場合は14歳で月経が始まり、21~28歳が妊娠に最適、次いで28~35歳、42歳が妊娠の限界、49歳で閉経を迎える。男性には女性ほどのはっきりとした区切りはないが、16歳で男になり、24~32歳が子を持つに最適、32歳をピークに男性として衰え始め、子づくりなら49歳までがお勧め、というのは実際の社会生活と照らし合わせて実感できる数字ではないだろうか(左図)。

この理論は、仕事上のパフォーマンスとも一致していると私は考えている。女性は14歳になればとりあえず仕事の戦力になり(途上国だと、このぐらいの年齢で職に就く女児が多い)、仕事上のパフォーマンスが最大なのが21~28歳(昭和時代の女子就職では大卒より短大卒のほうが好まれた)、28~35歳ぐらいでもまだまだ働ける。しかし、「派遣35歳限界説」などが示すように、働き女子のパフォーマンスは(妊娠というイベントがなくても)35歳ぐらいから陰り始め、「お局」「オバタリアン」という用語が似合うようになっていく。

右に、「7の倍数」「8の倍数」を示したグラフの上に、40~70代の8人の著名政治家を載せてみた。それぞれの男女政治家は同じ年齢であるが、ざっと顔ぶれを見渡しても、女性政治家のほうが「この人、ピークは過ぎたな」的な印象が強いのではないだろうか。実際のところ、女性管理職は49歳ぐらいから老害ゾーンに突入し始め、平均的にいって56歳の女性管理職は64歳の男性管理職レベルの老害をまき散らすタイプが多い、というのは個人的な所感だ。

女性管理職にはEXIT戦略が必須

アベノミクス効果なのか、最近の日本企業では「女性重役を任命してマスコミに取り上げてもらい、企業イメージアップを図る」のがプチ流行中らしい。さらには、重役としても若手の40代女性を起用して「経営陣の若返り」という意味でも2重のイメージアップを図るケースも見かける。個人的には、「女性が管理職としてのパフォーマンスを最も発揮できるのが35~42歳、次いで42~49歳」と実感しているので、「女性管理職を登用するならば、男性陣より早めにそのポストに就ける」ことには私も賛同する。

しかしながら、前述のように女性管理職は老害モードに入るのも早いが、終身雇用・年功序列型の日本型組織では、いったん重役に就いた人材を「パフォーマンスの低下」を理由に更迭することは困難である。ヒラの一般職女性がオバタリアン化して「働きません、でも辞めません」モードに突入しても被害は限定的である。しかし、一事業部のトップのような人材が、アラフィフで老害モードに突入した後も十数年居座り続け、部下たちは彼女の定年を指折り数えて耐え忍ぶ日々……というのは、かなりヤバい状況ではないだろうか。

実際、私の周囲でも「就任時はそれなりの人材だった女性教授やら部長→数年でオバタリアン化して老害モード→若手~中堅医師が集団辞職→医療崩壊(→そしてフリーランス医に業務委託)」は見聞きするストーリーである。よって、「女性管理職を登用する際には、彼女が老害モードに入ったら定年を待たずに更迭できるEXIT戦略」をセットで準備することをお勧めする。

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