日本型組織の女性管理職がイケてない訳 なぜ女性は「お局」化するのか?

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大器晩成な男性、中器速成な女性

日本企業の人事関係者の間では、「普通に面接をやったら女性のほうが優秀なので、調整して女性の評価を下げている」ことは有名な話だそうで、国立を含む医大入試でも、「面接で男子にゲタをはかせる」うわさは絶えない。前述の記事のタイトルは「女性が優秀にもかかわらず採用されない理由」であるが、私はこのタイトルには同意していない。私の実感としては「男性は大器晩成、女性は中器速成なので、20歳そこそこでは女性のほうが優秀に見えるが、最終的には男性のほうが到達点や生涯パフォーマンスが高い」のであり、人事部のベテラン社員は経験的にそれを知っているからなのだろう。

10~15歳の子供たちでは女児のほうが男児に先駆けて身長が伸びるが、やがて男児に追い抜かれ、最終的には男性のほうが女性より身長が高くなる。似たような現象が、学問の上でも16~26歳ぐらいの時期にあるような気がする。現在、医大における女子学生率は約4割であるが、どこの医大でも卒業時に成績トップ10に挙がるのは女子学生が多く、国家試験合格率も明らかに「女>男」である。

24~27歳ぐらいの研修医として出会う若者も、「言われたことをきちんとこなす」「医学書などで手技を予習する」のは女性研修医に多く、男性研修医といえば「しょっちゅう遅刻」「ヨレヨレの白衣で、敬語も怪しい」やら、教官の目を離した隙に「ナースと飲み会の約束」に奔走しているタイプもしばしば見かける。

だからといって、40歳を過ぎて最終的に到達できる医師としての力量は、少なくとも「男≧女」であることは認めざるをえない現実であろう。妊娠出産というイベントがなかった場合でも、「女医の成長は早く始まるが器の固まるのも早い(28~35歳ぐらい?)」と、感じている医大教官は多いようだ。

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