大谷翔平の「二刀流」はメジャーで通用するか

成功するために必要なことは何なのか?

僕がレンジャーズに入団した2011年頃、エンゼルスはとても強いチームで、「エンゼルスを倒さないと地区優勝は不可能だ」とも言われていましたが、2014年ごろから徐々に勢いを失い、その年を最後にプレーオフへも進出していません。しかし、今回の大谷選手獲得やその他の選手の補強状況を見ていると、優勝に向けての準備を着々と進めているなと感じます。

2017年シーズン、ア・リーグ西地区では優勝したアストロズが他チームを追随させない圧倒的な強さを見せましたが、早ければ2018年シーズンにもエンゼルスが優勝争いに食い込んでくるかもしれません。かつてアストロズが行っていたような大掛かりな補強を、現在エンゼルスがやっているからです。

チームが優勝に向けて力を蓄えているタイミングで入団できたことは、大谷選手にとってもプラスだったと言えます。彼の入団が強いチームを作るきっかけになるかもしれないと、地元のファンも気持ちの高ぶりを感じているようです。

日本よりも過酷なスケジュールが待ち受ける

ア・リーグはDH制度を採用しており、エンゼルスのマイク・ソーシア監督は大谷選手の先発・DHの二刀流での起用を明言しています。そのために、先発ローテーションも1人増やして6人体制で回し、メジャーリーグで主流の中4日ではなく、日本の環境に近い中5日もしくは中6日のプランも考案中とのことです。

これは、長丁場のシーズンで選手に無理をさせない、負荷を掛けない、ケガをさせないという思いがとりわけ強いメジャーリーグならではのアイデアだなと感じています。

ただ、日本のプロ野球は公式戦が143試合ですが、メジャーリーグは162試合で、日本より19試合も多く開催されます。また、日本のプロ野球で先発ピッチャーのために設けられている「あがり」(ベンチ入りメンバーから外れる日)や丸一日休める休養日がメジャーリーグには存在せず、先発ピッチャーも遠征を含むすべての試合でベンチ入りします。

このような背景から、たとえ中6日で先発したとしても、日本と同じ条件でプレーすることは厳しいことがわかります。

日本よりも過酷なスケジュールで、しかも慣れない土地。時差や長距離の移動もある。その環境での二刀流挑戦は負担が大きいため、僕の個人的な考えでは、まずナ・リーグのチームでピッチャーとして打席に立つことから始めたほうがいいと思っていました。

しかし、最初からア・リーグを選んだということは、大谷選手本人は二刀流でプレーすることにかなりこだわっているのだなと感じました。

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