「ゴルフ離れ」を食い止めるスター養成の課題 世界で通用する選手を多く輩出できるか

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日本のゴルフ草創期はアマチュアがプロゴルファーを育成してきたし、PGA創設にもJGAが協力していたが、いつのころからか、「アマとプロ」という垣根ができ、互いの連携はほとんどなくなった。平たく言うと「アマはアマ、プロはプロで勝手にやる」という状態だったが、ゴルフ界の大ピンチに、講演のアンカーを務めた山中博史JGA専務理事によると、JGAの大きな役割であるゴルフの普及、振興に立ち戻ったということらしい。

いまのゴルフ人口を支える団塊世代が後期高齢者になる2025年以降のために、今から若い年齢層を中心とした新規ゴルファーの開拓や、既存ゴルファーの継続・復帰、生涯スポーツ、健康スポーツとしての認知度を高めるなど構想はあるが、方法に関して正解は見つかっておらず、見つからないかもしれない。

スター選手を養成できるか

分かりやすい「浮揚策」があるとすれば、冒頭の「スター選手養成」だろう。竹田会長は「テニスなら錦織圭選手、卓球は福原愛選手、スケートなら浅田真央選手がいる」と他競技を引き合いにし、ゴルフ界は「松山(英樹)選手を除き」世界に通用できていないところが、ゴルフ離れの大きな理由と見ている。

そこで、プロアマ一体となって小学生レベルのジュニアの発掘・指導、中高生で競技へのすくい上げと育成、ナショナルチームの強化、プロ入り後のケアを行う「一気通貫」(竹田会長)の強化プログラムで世界に通用する選手を1人でも多くつくり、五輪やメジャーで活躍するスター選手を育てようという。

この話には続きがある。実現するには「資金」が必要だ。「特に優秀なコーチの養成が必要」(山中専務理事)で、JGA加盟団体の各地区連盟8地区にゴルフの技術面だけではなく、フィジカルや食育、メンタルなどの専門コーチを配し、地区連盟段階から強化する方針だ。

そのため、JGAで行うのが、ゴルファー、一般市民らに対しての「選手の育成・強化と日本代表支援のための寄付金のお願い」だ。昨年から寄付金集めは行っているが、外への発信はほとんどしていなかった。今回のプロアマ連携を機に、本格的な寄付金集めに入る。

ゴルフが五輪競技になったことで、JOC(日本オリンピック委員会)や、totoを実施する日本スポーツ振興センターからの助成金が年間7000万~8000万円ほどあるというが、五輪競技としての実績がないため、競技団体の中でも最低クラスの額だという。

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