売れ残ったパンをコツコツ売り歩き、開店から3カ月が過ぎた頃、とある87歳のおばあちゃんから手紙が届く。「生きている間にこんな美味しいものを食べられると思わなかった」と、綴られていたそう。「やっとここまでたどりつけた。この商売はいける」と確信した瞬間だったという。その後、徐々に客足は伸び、行列ができる店として評判を呼ぶようになっていった。
東京でもヒットするか
2018年には全店で100億円の売り上げを達成できそうだというが、実は今も本店の売り上げがダントツ。「チェーン化するとたいてい本店は客足が落ちるが、うちの本店の売り上げは右肩上がりで先月は2500万円を超えた。乃が美の強さはここにある」と、阪上代表は強調する。
今後は海外進出も考えているが、国内ではコンビニとのコラボを実現したいという。大阪と神戸を除き、1県に2店舗のルールで出店しているため、お店に買いに行けない人もまだまだ多いからだ。イメージは、「冷凍で二枚入り」の展開。「特に地方のお年寄りにもっと食べてもらいたい」と言う。
直近では、2018年、乃が美は念願の東京出店を予定している。「東京で流行っても、地方に出るとダメになるケースがほとんど。だから、最後に東京で花火を打ち上げると決めていました。スターバックスも全国出店を果たしたのは2015年と最近。わずか5年の間に未上場で全国制覇を達成する飲食店は、うちが日本初なのでは」。地方を熱狂させた食パンに、東京人がどう反応するのか、楽しみだ。
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