「オーダーメイド香水」がひそかに盛り上がる訳

「推し」をイメージした香水までブームに

オーダーメイドの香水が流行しています。その理由は?(左写真:Dance提供、右写真:ヤマネコ提供)

香水をつける人、つけない人――。香りの好みも人により大きくわかれるところだが、そうした中、今にわかに「オーダーメイドの香水」が人気を博している。

購買層の中心は、20~30代の、いわゆるミレニアル世代だという。いったい何が起きているのか。そこからは新たなニーズも見えてくる。

「年齢600歳」をイメージした香水?

「異変を感じ始めたのは4~5年前」と、オリジナルの香りを販売するDanceの店長である福田安里さんは振り返る。

福田さんは、キャリア20年の調香師だ。2010年からインターネットで香りをオーダーメイドできる事業を始めた。ウェブ上で記述式を含むいくつかの質問に回答してもらい、その回答をもとに、その人のイメージに合った香りを個々にブレンドしている。

Danceで商品をオーダーすると、香りの内容とメッセージが記載されたカードとともに届く(写真:Dance提供)

当初、注文の多くは自分用の香りだったが、2015年頃からプレゼント用の注文が増え始めた。そうした中、「腰まで金髪」「18歳。1日中着流しで過ごす」など、ちょっと変わった記述も目につき始めたという。あるとき驚いたのは「年齢600歳」という記載だった。「私の知らないところで何かが起きていると確信した」と福田さんは振り返る。

調べてみると、人気のゲームやアニメのキャラクターなど、自分の「推し」のイメージを表現する「推し香水」なるものが一部で流行していることが判明。ナゾの記述は、そのキャラについてのイメージだったのだ。

Dance店長の福田安里さん。神戸の北野異人館にある「香りの家オランダ館」でトップ調香師として10年に渡り活躍。2010年に独立し、対面やインターネットを通じてオーダーメイドの香りを提供している。
(写真提供:Dance)

そして現在、この推し香水の注文が全体の8割を占めるまでに。推しはゲームや漫画の登場キャラの他、実在の俳優やアイドルが多く、「以前注文した主人公キャラには親友がいるので、ペアリングで」「アイドルグループ全員分」といったリピートもよくあるという。

OL、教員、ドクターなど推し香水を求める層の職業はさまざまだが、20~30代の女性がメイン。SNS世代の彼女たちはツイッターやブログで「推し香水作りました!」と体験談を発信する。その体験談がバズるたびに特需が発生し、認知は拡大していった。2018年は多いときで1日約370件の注文が入り、その月は前年比10倍の売り上げに。一時は3カ月待ちになるほどで、今も1カ月待ちの状態が続く。

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