ただ、出店者にとっては悩ましさもある。客単価が安いので、杯数をこれまでよりもたくさん出さなければ収支が悪化してしまう。ラーメンイベントの中には、ゆっくり作ることで行列を意図的に作り、人気があるように見せかける手法を取るお店もあるが、1杯500円となるとそうもいかない。今年の大つけ麺博ではこの手法を全面的に禁止しているそうだ。
本来のラーメンイベントの趣旨

そもそもラーメンイベントへの出店自体で儲けるケースは少ないとみて、目的をお店の名前を売るため、投じるのはマーケティング費用と割り切っているお店も多い。大つけ麺博実行委員会の井上淳矢氏は「ラーメンイベントは『お気に入りの1杯に出合うためのお祭り』であるべき。イベントでおいしいと思ったお店に実際に行っていただくのが本来のラーメンイベントの趣旨だと思います」と話す。
それとは別の次元で、出店者側にとって、ラーメンイベント自体の目新しさが薄れてきつつあるのは悩ましい。全国各地でこれだけの数のイベントが開かれると、飽和を感じざるをえない。ラーメン店の数も飽和状態にある今、イベントに足を運んでまでラーメンを食べたいというファンは一定数に限られてくる。今後は各イベント同士でパイを奪い合う中で淘汰が進むかもしれない。
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