「数字」に弱い会社が陥りがちな3つの間違い 意味を考えマンネリを脱し、隗より始めよ

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ところがソフトバンクだけは、一般の常識を覆して、計画を「DO」に移しました。

しかも100万台ものモデムを用意し、日本全国で販促キャンペーンを展開するという、とてつもない規模での実行でした。

同じ業界の人たちは、なんという無謀な挑戦だと思ったでしょう。しかしソフトバンクの強さは、「DO」の後にこそ発揮されます。

「DO」の後に精度の高い「PLAN」ができる

とにかく短期間で大々的に実行すれば、たくさんの数字を計測できます。あらゆる実測値を集計し、当初のビジネスプランとすり合わせて新たに数字を組み直して、より現実的な計画へと仕上げていくことも可能です。

つまり「DO」するからこそ、その後に精度の高い「PLAN」ができる。それをまた高速で実行するから、最短最速でゴールへ到達できる。ソフトバンクにおける「PLAN」と、実行せずに頭の中であれこれ考えるだけの机上の計画とでは、そもそもの意味がまったく異なります。

実行前に作る計画や目標は、あくまで〝仮置き〞で構いません。

「販促キャンペーンを展開するのに、どの広告を使うのが効果的か」

そんなことは、いくら頭で考えてもわかりません。

だったら、たとえば、とりあえず「チラシとWeb広告とタクシー広告で展開する」と仮の計画を立て、まずは少額の予算で3つとも一気にやってみればいいのです。

『孫社長にたたきこまれたすごい「数値化」仕事術』(PHP研究所)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

そうすれば、3つの広告を比較できるし、費用対効果も計測できます。もし3つともよい数値が出なければ、ほかの広告を検討するという新たな選択肢も見えてきます。

そのうえで、本格的な予算配分を決めれば、より現実的で即効性のある「PLAN」が出来上がるはず。あとはそれを迅速に実行し、PDCAをスピーディに回していけばいいだけです。

いつまでも「P」で留まらず、できるだけ速く「D」へ移ること。これも数値化を成果につなげるための鉄則です。

三木 雄信 トライオン代表取締役

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みき たけのぶ / Takenobu Miki

1年で"使える英語"をマスターする「One Year English プログラム」"TORAIZ"を運営するラーニングテクノロジー企業 トライオン株式会社代表取締役。1972年、福岡生まれ。東京大学経済学部卒業。三菱地所を経てソフトバンクに入社。元ソフトバンク社長室長。マイクロソフトとのジョイントベンチャーや、ナスダック・ジャパン、日本債券信用銀行買収、およびソフトバンクの通信事業参入のベースとなったブロードバンド事業のプロジェクトマネジャーを務める。現在は、東証一部やマザーズ公開企業のほか未公開企業の社外取締役・監査役などを多数兼任。プロジェクトマネジメントや資料作成、英語活用などビジネスコミュニケーション力向上を通して、企業の成長を支援している。著書に『海外経験ゼロでも仕事が忙しくても英語は1年でマスターできる』『世界のトップを10秒で納得させる資料の法則』などがある。

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