「数字」に弱い会社が陥りがちな3つの間違い 意味を考えマンネリを脱し、隗より始めよ
しかし、店舗ごとの数字をいくら見ても改善しないなら、それは計測の仕方が現状に合っていない証拠です。その場合は、何らかの仮説を立て、別の数字を計測して、問題のありかを突き詰めるべきだということです。
マンネリ化した数字に疑問を持ち、「店舗に置いてある商品ごとの売り上げを出してみたら、何かわかるかもしれない」と考え、実際に数字を取りにいけば、「数字が悪い店舗では、利益率が高い商品Aの販売数が少ない」といった新たな事実がわかるかもしれません。
さらに掘り下げれば、「現場のアルバイトに『商品Aを積極的に販売するように』という指導が行き届いていない」といった原因も見えてくるでしょう。
そこまで来てようやく、「アルバイト店員への指導を徹底する」といった改善策が見えてきます。次のアクションに結び付かない数字をいくら眺めていても、何も改善しません。
数値化の手法や基準はずっと固定せず、その時々の状況に応じて、必要な数字を取りにいかなくてはいけないのです。
頭の中であれこれ考えるだけ…
③ PLAN(分析)ばかりで DO(実行)していない
ビジネスは「実行ありき」です。
どれほど綿密な計画を立てても、はっきりいえば未来のことなんて「やってみなけりゃわからない」のです。
数字の分け方や取り方も、「何が正解なのか」と机の前で頭を悩ませたところで、答えはわかりません。まずは実行して、確かな実測値を手に入れ、それを基に軌道修正しながら、正解にたどり着くしかないのです。
ソフトバンクが勝ち続けているのは、とにかく「DO」することで、数値化の精度をどんどん高めているからです。
ADSL事業に参入したときも、成功の確率がどの程度あるかなど、誰にもわかりませんでした。当時ADSL事業を手掛けていたのは、ごく小さな新興企業が数社あっただけ。ユーザー層も限定的で、「ADSLは一部のマニアが使うもの」というのが一般的な認識でした。
よって、このビジネスがそもそも市場として成り立つのかさえ、通信業界では疑問視されていたのです。
そんな不確実な状況で、いきなり100万件規模の加入者を想定して、ADSL事業に乗り込むことなど、普通の会社なら絶対にしないでしょう。計画段階で「過去の事例もないし、市場性も不透明だ」という結論になり、結局はやらずに終わってしまうはずです。
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