ではランキングをご紹介しよう。なお、参考になるように、介護休業取得可能最長期間と、取得する可能性が高い50代と40代の社員数も掲載した。
1位は日本生命保険だ。介護休業取得者数は258人。昨年243人から15人増加した。介護休業は最長1年間取得可能である。50代社員数に対する比率は1.48%、50代と40代の合計社員数に対する比率は0.7%と、対象者が多い世代でも一部の取得となっている。
2位は第一生命ホールディングスで234人。前年は274人だった。日本生命保険と同様、最長1年間の取得が可能だ。対50代社員比率は1.7%、50代+40代社員比率は0.8%と、1位の日本生命とほぼ同じ数値となった。
この2社までが100人以上だった。3位は日本電信電話(NTT)の82人。取得可能期間は1年6カ月で上位2社より長い。
育児と比べ、介護休業の取得者は少ない
以下、4位明治安田生命保険65人、5位住友生命保険51人、6位日本航空42人、7位東日本旅客鉄道(JR東日本)41人、8位トヨタ自動車24人、9位西日本旅客鉄道(JR西日本)22人、10位日清医療食品21人と続く。
10人以上は、24位のイオンほか7社まで。5人以上は、67位の野村ホールディングスほか8社までと、全体的に取得者は多くない。
ちなみに育児休業取得者では、1位の三菱UFJフィナンシャル・グループ2229人など、1000人を超える会社が7社あった。100人以上は112社だったのと比べると、介護休業取得者は少ないことがわかる。
現在の大手企業は、日本全体の高齢化を反映し、従業員の平均年齢が年々上昇している会社が多い。今後、両親の介護が必要になる社員は、さらに増える可能性が高い。
これまでは、定年まで専業主婦またはパート勤めの妻に介護を任せ、仕事に専念してきた、という男性も多そうだ。ただそうした中でも、独身や共働きなどのため、介護が必要になった時点で、職場を辞めてしまうケースもあるという。
今後は少子化で子どもが減っているうえ、今以上に共働きの家庭が増えていくと予想される。一人っ子同士が結婚した場合は、2人で親4人を介護するというケースも出てくる。「今回はどちらが休むか」といった話をしなければならなくなるだろう。
介護問題が出てくるのは、40代や50代になったころが多い。この世代は職場の中心メンバーだ。もし、こうした人たちが退職してしまうと、企業の競争力が落ちてしまいかねない。
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