建設現場の大問題「トイレ」の華麗なる大変身 内閣府も太鼓判?「快適トイレ」のスゴい実力
東京・お台場の沖合にある中央防波堤。ここでは貨物コンテナを運ぶトラックの混雑緩和のため、昨年から海底を通る道路の新設工事が行われている。巨大なショベルカーが地面を掘り返し、そこに杭が打ち込まれる光景は、普通の工事現場と変わらない。
大手ゼネコンの清水建設が施工するこの現場では、ほかと異なり女性の比率が高い。作業員約70人のうち、1割弱に当たる6人が女性だ。事務職だけでなく、重機の操縦を行う女性もいる。
けんせつ小町を悩ますトイレの問題
建設現場で働く彼女たちを悩ますのは、「トイレ問題」だ。
一般的な仮設トイレは最低限の機能しか備わっていない。室内にはにおいも滞留しており、身だしなみを整えられるような場所ではない。
この現場では仮設トイレの設置に当たって女性の意見を取り入れ、最大限に配慮した設備を整えている。
「どんなトイレがいいか、みんなで話し合って決めました」と、施工管理を担う女性作業員がはにかみながら答える。
現場の隅に設置されたトイレは、温水洗浄便座こそないものの、全身鏡や脱いだヘルメットを掛けるフック、除菌シートを備えており、商業施設やオフィスにある女性用のトイレとほぼ変わらない仕様になっている。
清水建設で女性活躍推進を担当する西岡真帆・人事部ダイバーシティ推進室長は、「今やどこへ行ってもトイレは男女別で、女性用なら女性向けの設備があるのは常識。建設現場だけ特別扱いは許されない」と話す。
建設業界が仮設トイレの環境改善に熱心なのには理由がある。2016年時点で、建設業就業者に占める女性比率は15%、実数にして74万人と、全産業平均の3分の1にとどまる。事務職などを除いた技能労働者に限れば、わずか1%にすぎない。
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