女医が早婚逃すと生涯独身になりやすい原因 キャリアウーマン最高峰だけに難しさがある

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一人前の医師になるには、長い研鑽(けんさん)が必要です。専門医取得までのプロセスの中で、結婚や出産をどのタイミングに持ってくるか。以前は専門医取得後にと考える女医が多かったそうですが、今の若い医師には、QOLを重視して早い段階で結婚・出産を決める人も多いということでした。学生結婚の場合、卒業と同時に出産して、1年経ってから研修医になる例も少なくないもよう。早めに育児を経験し、体力のある若いうちに子どもに手がかからなくしたうえでキャリア構築のリスタートを切るなど、戦略的でしたたかな視点があるようです。

女医の結婚相手は男性医師が過半数

やはり相手が医師であるケースが多い(図:女医の結婚相手の職業/女医白書)

女医の結婚相手について調査したところ、医師同士で結婚した女医は55.1%と過半数を占めました。結婚したい職業ランキングの上位常連の医師と結婚できるとはうらやましいかぎりですが、同業同士の結婚には悩みも多いようです。

「妻が出産・育児で仕事に集中できない間、夫のほうはどんどんキャリアを積んでいくのだから、葛藤やいらだちはあるでしょうね」と話すのは、29歳のときに外科医同士で結婚した消化器外科女医。彼女自身、自分のほうが夫よりも手技は上だと思っていたのに、出産・育児で医師の仕事を休んでいる間に、夫に技術を越されてしまったとのこと。

こういった出産・育児で女医がキャリアにブレーキをかけざるをえない状況の中で、順調にキャリアを重ねる夫に複雑な思いを抱くことは想像に難くありません。ましてや、幼い頃から努力ですべてを勝ち取ってきた女医ともなれば、その思いは倍増のはず。多忙な医師夫婦でどうしても女医側がキャリアを犠牲に育児を引き受けていかねばならなくなる――これが「女医版マミートラック」といえるもので、医師夫婦に亀裂を生む温床となります。

ただ、先述の消化器外科医の夫は、焦ってしまった妻を見てフォローしました。手術のビデオを一緒に見たり、情報を共有したり、同業だからこそのメリットを活かしてキャリアセーブ中の妻の自己研鑽を支えたのです。同業だからこそ感じてしまうライバル心はハードルとなりますが、一方でお互いの仕事を理解しているからこそできる支え合いもあります。

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