――この世代の「買いたい」をつかむために、企業はどんなことをすべきでしょう。
「共感してほしい」「気持ちをわかってほしい」という感覚が非常に強い世代だからこそ、「あなたのことをわかっているよ!」と、はっきり示す必要があると思います。ファッションにしても、スタイルをよく見せたい、背を高く見せたい、友人にいつもと違うねと言われたいなど、願望はたくさんあるわけです。
洋服のショップの店頭でも、そうした願いをかなえられる服なんだと、もっと打ち出すことで消費につなげられるのではと思います。
――具体的には、メーカーや店頭ではどのように工夫できそうですか?
やはり重要なのは、1着をその10倍くらいに着回し、使い回しができる商品を作ることではないでしょうか。その1着から、いろいろな着こなしのパターン、アイデアが広がっていくかどうかが大事です。店頭では、そうした具体的な“お得感”をもっと示していくべきだと思います。たとえば、書店では店員さんの手書きPOPがありますが、あんな感じがいいのでは。
店頭にそのショップの服を完璧に着こなすマネキンが置いてあるだけでは、やはり自分のものだとは思えない。いろいろなパターンで着回ししている様子を、何体ものマネキンを置いて見せるなど、雑誌の誌面を、店頭でも応用してみてほしいと思います。店員さんとのコミュニケーションが苦手という人もいるので、ビジュアルで見てわかるものを用意することは重要だと思います。
(撮影:今井康一)
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