たとえば以前、ファッション誌でよく見掛けた「モテるコーディネート」といった言葉が、まったく読者に響かなくなっています。イマドキの女子にとって、複数の男性からモテるというのは、煩わしいだけで意味がない。彼女たちの理想は、自分から好きになった人と結婚を前提にお付き合いすることなんですね。
男女の仲以外にもこうした傾向があります。この世代の多くがフェイスブックを使っていますが、「友達は何人くらいいますか?」と聞くと、大体400人って言うんですよ。私からすると、そんなに多いの?という感覚。でも「本音を語れる人は何人くらい?」と聞くと、4人くらいだと。しかもそこには親が入っている。なんでも話せる仲の友人は、実は1人か2人ということです。
「女子会」という言葉がはやりましたが、これも今は変わってきていて、「女子デート」になっているんですよ。
――女子デートですか!人付き合いの範囲が、より狭くなっているということでしょうか。
もちろん女子会や、男子も含めた仲良しグループみたいな複数人の集まりは、今でもあると思います。でも、もっと近距離で、本音を語れる相手が欲しいということなのか、「女子デート」という言葉を最近よく耳にします。人との付き合い方が、より狭く、深くという方向に来ているのかもしれません。
上の世代の女優さんには、あこがれない
――それにしても、最近の若い女子は雑誌を買わなくなっていると言われています。部数を落とさないために、どんな工夫をされていますか?
バーチャルな、“なんとなくの20歳”に向けてものを作っているのではダメですね。実際に20歳の人たちに会って、声を聞いて、リアルなハタチを知って作らなければならないと思っています。
なぜかというと、最近の20歳前後の女子は「自分のためのものだ」とはっきりわからないものに対して、まるで興味を持たない人たちなんです。自分とは縁遠い、趣味趣向の違う人たちのための雑誌だなと思うと、見向きもしない。だから、「あなたたちのためのものですよ!」と強く打ち出すことを意識しています。
――それは、最近生まれた傾向なのでしょうか。
そうですね、ここ最近、強まっていると思います。たとえば、今、20代後半から40代くらいの女子に人気があるブランドがあったとして、それをハタチ前後の若い子たちが欲しがるかというと、全く違います。
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