聡さん:でも、「終身死亡保険」は、掛け捨ての保険ではありませんよね。娘が生まれた3年前に、保険会社の営業マンから「掛け捨てではないので、保険でおカネが貯まっていきますよ。死亡保障を持ちながら、教育費の積み立てができます」と勧められて入りました。
終身死亡保険では、おカネは貯まらない!
岩城:「終身死亡保険でお子さんの教育費積み立てができる」とは、また乱暴なセールストークですね。
お嬢さんが18歳で大学に進学するとして、今2つ入っている保険(1つは45歳払込満了で保険金額は450万円。もう1つは60歳払込満了で保険金額は720万円)を、「おカネが必要だから」と言って解約したらどうなるでしょうか。
15年後の解約返戻金額(※1)は、それぞれ174万円と200万円で合計374万円です。このときまでの払込保険料は、合計で約528万円ですから、解約すると、完全な元本割れです。予定利率の低い今、コストの高い保険でおカネは貯まりません。解約せずに、契約者貸付制度(※2)を利用することもできますが、当然利息を支払わなければなりません。
※1 解約返戻金とは、生命保険を解約した場合に、その契約の責任準備金を清算することによって受け取ることのできる金額です。生命保険は、多くの場合、長期の契約なので、保険会社は、万一のときに契約者に支払うための責任準備金を積み立てておく必要があります。
※2 契約者貸付制度とは、一定額の解約返戻金がある場合、一定範囲内でおカネを借りられる制度です。借り入れには利息が発生します。
聡さん:マジですか? 自分の保険からおカネを借りるのに、利息がいるのですか?
岩城:残念ながら必要です。貸付金は、契約者共通の財産(保険金や給付金の財源)として運用されている一部だからです。
真希さん:それなら、保険料分、普通に貯金していったほうがよくない? 今解約すると、解約返戻金は約52万円。この分は年間35万×3年=105万円も払ったのに、大損じゃないですか! 何か方法はないのですか?
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