中国の40代女性が「2人目」を今こそ産む理由 「一人っ子政策終了」で見えた世代間ギャップ

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中国では理想の家族像についての世代間ギャップが大きくなっている(写真:xiangtao / PIXTA)

中国で今、大きな課題になっているのが、人口ボーナス期〔総人口に占める生産年齢(15~64歳)人口比率の上昇期〕が終了し、少子高齢化が深刻になりつつあることだ。解決に向けて、1978年に始まった一人っ子政策をやめて、2015年末から「二人っ子政策(1組の夫婦に第2子を産むことを認める)」を始めている。その結果、2016年の新生児数は前年比7.9%増の1786万人と、この20年で最大の増加率を記録。新生児のうち45%は第2子以降の子だった。

「2人目」の子どもを欲しがる理由

では、現在中国で第2子を産んでいるのは、どの世代なのだろうか。出産適齢期の「80後(1980年代生まれ)」「90後(1990年代生まれ)」といった「一人っ子世代」だと思う人が多いかもしれない。しかし、実は40歳前後からそれ以上の年齢層、つまり「80後」「90後」の親世代も頑張っているのである。

中国の情報サイト「新浪育児」では昨年5月30日に「中国高齢女性が二人っ子を切望し、体外受精児ニーズが高まる」という記事を配信。不妊治療の専門病院の医師の話として、「二人っ子政策が実施して以来、体外受精を利用したい患者の人数が20%増えた。以前の平均年齢は35歳だが、今の患者の多くは40歳以上で、50歳近い人も居た」と出産事情を紹介している。これは一つの例であり、中国のメディアではほかにも、こうした報道が頻繁に行われている。

すでに1人目の子どもが成人になった親たちに、なぜ、2人目の出産ブームが訪れているのだろうか。

40代以上の中国人が家族や子どもに対する考えにおいて、強く影響されているのが中国の伝統思想の「多子多福」である。子どもが多ければ多いほど「福」が多く、繁栄している家族だという考えだ。この世代は、ほとんど全員に兄弟や姉妹がいると言ってもいいくらいだ。子どもの頃、大家族でワイワイと過ごした思い出や、親が入院した際に兄弟で協力し合って面倒をみた経験がある。だから兄弟や姉妹がいることは当たり前で、何かあればお互いに助け合うことができるありがたい関係だと思っている。

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