中国の40代女性が「2人目」を今こそ産む理由 「一人っ子政策終了」で見えた世代間ギャップ
特に自分が大人になった後に生まれた弟妹だと、親が高齢なのでやがては自分が面倒を見る成り行きになるかもしれない。だが、一人っ子として育って大人になったので、今さら弟や妹ができても、どうやって面倒を見ればいいのかわからない。
子持ちの夫婦であれば、自分たちの子どもとそれぞれの両親の面倒を見るだけでも大変なのに、突然、20歳も年下の弟妹が自分たちの世界に入ってくると、ひどく困惑してしまうのだ。
世代間のギャップが示す中国の社会変化
親世代と若者世代の間に生じているこうした意識の断絶は、中国の社会変遷とそのために生じた問題を表すものであり、二人っ子政策は、中国の幅広い年齢層に影響を与えている。出産適齢期の30代半ば以下の世代だけではなく、彼らの親世代に当たる40代以上の夫婦の心も揺らしている状況なのだ。
確かに、二人っ子政策によって、大きな商機の可能性も見えてきつつある。育児関連市場や40代以上の出産に関連する医学技術・サービスの需要は増えるだろう。
しかし同時に、30代半ば以下の世代への負担が増すという問題も生じる。「多子=多福」が成り立つ環境ではないのが現実だ。親の介護に加えて、フルタイム勤務と2人以上の子育てを両立させて、一人っ子の場合に比べて膨らむ教育費負担にも直面する。さらに、親に20歳ほども離れた弟妹が生まれれば、将来的に大学教育などの学費を出す必要に迫られるかもしれないという状況だ。
これは、一筋縄で解決しがたい社会課題である。しかし、だからこそ「課題解決」につながる優れたアイデアがあれば、必ず大きなビジネスに結び付くはずだ。
中国では急速にスマホが普及したが、それも流通が日本のように発展していなかったために、実店舗での買い物が急激にECへと移行したことなどが要因だ(中国が超速で「スマホ先進国」になれた事情)。大きな不便や課題があるところにこそ、同じように大きな商機もあるはずだ。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら