横浜・中村紀、40歳でもフルスイングの理由 ポジティブを貫く「勝者のメンタリティー」

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プロ入りからフルスイングを貫く中村紀。写真は、プロ入り初本塁打を放った1992年6月18日の打席(写真:日刊スポーツ/アフロ)

ベイスターズ躍進を支える、移籍組

長らく業績の伸びていない組織に属していると、低迷している状態を当たり前のように受け入れてしまい、所属メンバーは“初心”を忘れがちになる。仕事を始めた頃は夢や希望に満ちあふれていたものの、いつしかモチベーションが低下し、自身と組織の低空飛行に疑問を抱かなくなるのだ。

1998年のプロ野球で38年ぶりの日本一に輝いた横浜ベイスターズ(現DeNA)だが、2002年からの11年間でセ・リーグの最下位に9度沈んだ。最たる理由は、雪崩のような戦力流出と世代交代の失敗だった。

ところが、今季は92試合終了時点で3位に着けている。チームを牽引しているのは、他球団から移籍してきた面々だ。投手陣では2012年に巨人から加わった藤井秀悟が先発ローテーションの中心となり、打線では中日から加入して1年目のトニ・ブランコが猛打を発揮している。11年途中に入団し、今年5月に史上43人目の2000本安打を達成した中村紀洋の活躍も見逃せない。

三者三様に異なる色を加えている中、「勝者のメンタル」が不可欠と説くのは中村だ。筆者が『月刊事業構想』の取材で訪れた際、近鉄と中日で優勝経験のある右打者は、5年連続で最下位のDeNAがクライマックスシリーズに進出するには“初心”が必要と話していた。

「小さい子どもたちのように、楽しく、必死になってボールを追いかけなければならない。ボール1球への執着心、集中力。基本ですね。これまでクライマックスに出られなかった理由を考えると、集中していない、ハングリーさがない、必死さがない。そういう選手がひとりでもいるとダメ。選手は個人事業主だけど、野球は団体スポーツ。ひとりでも空気を乱すようなプレーや態度を見せると、絶対に勝てない」

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