ビジネスマンにとって、人事異動はキャリアの行方を左右する転機になる。
希望どおりの部署に配属された者なら、新天地に高いモチベーションで臨むことはたやすいはずだ。しかし、左遷的な意味合いの配置転換をされた場合、やる気をなくし、新たな同僚を下に見てしまうこともあるだろう。
そういったわなにはまらないためには、どうすればいいのか。その心構えを教えてくれるのが、2013年4月6日、日本球界で外国人選手として史上初めての通算2000本安打を達成したアレックス・ラミレス(DeNA)だ。
「日本でおカネをもらって、1年でアメリカに戻ろう」
ベネズエラ出身のラミレスは2001年、短期間の“出稼ぎ”でヤクルトに移籍した。
ほとんどの外国人選手にとって、日本球界への移籍に“左遷”の側面があることは否めない。野球業界のグローバル市場において、トップは報酬、実力ともにアメリカのメジャーリーグだ。今年で来日4年目になるマット・マートン(阪神)の言葉を借りれば、日本のレベルは“4A”。マイナーリーグで最上位の3Aよりは上に位置するものの、メジャーには及ばないという意味だ。ラミレス自身、「メジャーリーグは、世界一。だから、日本に来ることは、マイナー落ちみたいなものだと思っていたんだ」と自著『ラミ流』で明かしている。
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