厄介なクレーマーに悩まされないための知恵

「粘質」と「病的」なタイプの上手なかわし方

特殊なクレームには対応を変える必要があります(写真:tomos / PIXTA)

企業に勤め、外部と接する人なら多かれ少なかれ、経験するのが顧客からのクレーム。もちろん、その会社や担当者に非があるからクレームを受けるケースが大半ですが、中には会社や担当者には非がないのに延々と説教をしたり、時にはストーカーのような行為をしたりするクレームがあります。ニュースで報道されるような事件に発展することさえあります。

このようなクレームを私は「特殊クレーム」と呼び、全国の自治体や企業で対応のための研修を行っています。具体的にどのように対応すればいいのでしょうか。拙著『どんなクレームも絶対解決できる!』にも詳しく書いているのですが、その見分け方と対応のポイントを解説します。

特殊クレームによる被害は年々増えており、対応をした人がうつ病になったり、休職や退職に追い込まれたり、ひどいケースでは自殺者まで出した自治体や企業すら存在します。特殊クレームが厄介なのは、普通のクレーム対応のスキルがまったく通用しないことです。お客様の話を真摯に聞き、まじめに対応すればするほど、こじらせる可能性があります。

粘質タイプは社会的地位の高かった人に多く、長期化する

特殊クレームは、大きく「粘質タイプ」と「病的」の2つに分けられます。

1つ目の粘質タイプは、自己愛性パーソナリティ障害の特徴と似た部分があるといわれています。この種のクレーマーには知識人や、元大企業の重役や、病院の元院長、元大学教授や元弁護士など、かつて社会的地位の高かった人が多く、自己保身、自己防衛の意識が極めて強いのが特徴です。定年退職した高齢者や、バブル時代にもてはやされた女性が多い傾向もあります。

少し前話題になったモンスターペアレントも、この特殊クレーマーに属します。社会的地位の高い人が多いので、暴力など加害行為をする可能性は低いですが、いずれも、とにかくしつこく、長期化するクレームです。

彼らが厄介なのは、非常に頭がいいということです。世の中のために役立とう、若い人たちを教育しようという正義感をもっています。さらには、時間もあり余っているため、こちらが忙しいときにやってきて、延々と話し続けます。対応した人のもとに毎日やってきたり、電話をかけてきたりします。そして、窓口の担当者が言われてもどうしようもないことにクレームをつけます。

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