グーグルが新製品で狙い撃つ、新マーケット ネクサス7、クロムキャストの狙いは?

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そして何より、35ドルという低価格は魅力的だ(筆者も早速オーダーしてみた)。さらに、クロムキャストにはインターネットを介して映画やドラマを見ることができるネットフリックスの3ヶ月無料券(約24ドル相当)がついているため、実質的には10ドルで購入できる。こうして、グーグルはクロムキャストをばらまこうとしている。  

クロムキャストはリビングでの利用に留まらないだろう。例えば、会議室のテレビやプロジェクタにクロムキャストがつながっていれば、煩わしい配線なしに画面に表示させることができる。プレゼン資料が「Google Apps(グーグルアップス)」にあればその場で再生できる。そうなると、テレビは「クロム」の画面を表示する装置になってしまうが、少ない投資でモバイルを核としたスマートテレビの体験ができると思うと、楽しみだ。

しかしこうした体験をいかに魅力的に、そして簡単に伝えるかが課題だ。グーグルのサービスはアップルのそれに比べて、玄人好みな側面があり、使い方やすごさが分かりにくい。ブラウザの映像をテレビに飛ばして、何が面白いのか、ということをきちんと伝えていく必要がある。  

その点、ゲームは分かりやすい事例になりそうだ。スマートフォンやタブレットを各人のプレイ画面兼コントローラーとして、複数プレイヤーでのプレイする、といったアプリをたくさん作って行く必要があるだろう。グーグルはクロムキャスト向けに開発者のアイディアを活用するプランを選んでいる。  

例えばアップルも、アップルTV向けのアプリ開発を可能にするなど、スマートフォンやタブレットの成功の法則であるエコシステム構築を、テレビ向けに行っていくのはよいアイディアではないだろうか。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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