グーグルが新製品で狙い撃つ、新マーケット ネクサス7、クロムキャストの狙いは?

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子供向けのタブレット市場を狙い撃つ  

アンドロイドは、まずは世界最大規模の台数のスマートフォンが採用するOSとなった。最新版のアンドロイド 4.3は、コードネームはアンドロイド 4.1、4.2と同じ「Jerry Beans」。毎回メジャーバージョンアップではお菓子の名前を頭文字のアルファベット順に名付けていくが、今回は変更がないことから、今回は小幅なアップデートであることがわかる。  

グーグルは5月に「グーグル I/O」という開発者イベントをサンフランシスコで開催しており、技術的な新しい面などはここの中でも触れているが、大きなポイントは、以下のようになる。

・複数アカウントを設定し、各アカウントに機能制限を設定できる

・クロスプラットホーム対応の「OpenGL ES 3.0」

・Bluetooth Smart(LE)対応

・Wi-Fiの電波を位置情報補正のみに利用するWi-Fi scan-only mode   

複数アカウントへの機能制限の設定は、ビジネスユースでも活躍すると見られるが、主なターゲットは子供ではないだろうか。アクセスや機能を制限する点は、親が子供にスマートフォンやタブレットを買い与える際の必須条件となりつつあるが、アンドロイド 4.3でこうしたコントロールをアカウントごとに設定できるようになり、子供のアカウントでは安全性を確保しつつ、親が使う場合には不便さがない、という利用方法を実現した。  

ネクサス 7はこれまでも販売されていた人気の7インチタブレットだったが、ディスプレイをフルHDとし、軽量化、薄型化、そして高性能化を施した最新版としてリリースされた。競合となるiPad miniが依然としてRetinaディスプレイに対応していない低解像度であることと比較すると、グラフィックスの美しさや文字の読みやすさは歴然としてくる。  

またグーグルは、7月24日の発表で、教科書の販売を行う「Google Play Textbooks」を発表しており、子供向け、あるいは教育市場の開拓を行う動きを、ネクサス 7とアンドロイド 4.3で加速させようとしていることが分かる。こうした基本性能の向上と、229ドルという価格競争力、学習環境の整備は、さらにiPad / iPad miniの売上を圧迫していくことになりそうだ。

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