シリコンバレーでは14歳からインターン?
岩瀬:先日、話をしたアメリカ東海岸の起業家は、起業すると言ったら家族から「ありえない」と反対にあったと言っていました。アメリカだから全員が全員起業に寛容ということではない。伊佐山さんはベンチャーキャピタリストという仕事柄、起業家と会う機会が多いと思うのですが、やっぱりシリコンバレーは特殊なのでしょうか。
伊佐山:そうですね。シリコンバレーでは、夢やビジョン(志)が面白くて、やっていることが面白いと、必ず評価し、応援してくれる人が出てくる。また失敗に対する文化が違います。シリコンバレーには社会も個人も「失敗しても、そこから学び続ける間は失敗と言わない」という文化があります。挑戦が重んじられていて、失敗してもバッシングに遭わない。
僕も、シリコンバレーで働き始めた頃は、失敗しては胃に穴があきそうで夜も寝られないという時期が続いたけれど、だんだん働くうちに慣れて、失敗に「鈍感」になっていった(笑)。これはすごい大事なことで、新しいことを始めて失敗しても「そういうもんだよね」と、いい意味で失敗を自分のせいにせずに、また新しいことを始めて、いつか自分の成功があるはずだと思い続けられる。だからこそ、「場外ホームラン」を狙って、全力でバットを振ることができる。
それと、シリコンバレーの面白いところは、早いと現地の高校1年生(14歳=日本の中学3年生)からインターンをする。僕の娘が今、14歳で「本当にインターンするの?」みたいな(笑)。14歳がインターンをするというのは、特殊なスキルを持っているわけではないので、会社にとって負担になっているかもしれない。でも、シリコンバレーはそうした仕組みを受け入れる“柔軟さ”がある。14歳から社会を体験して成長した人と、普通に社会人になる人では、すごい差がつくから、社会にとってもいい循環になる。
岩瀬:僕は、大学生はインターンしないほうがいいという持論があります。いやでも23歳から一生働かなければならないのであれば、社会人のまねごとをする必要はない。卒業してもやらないような仕事のインターンならわかりますが、起業したい人が、大学4年間、ベンチャーでインターンするのはもったいない気がしています。
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