客の4割が男性、超人気「和製チョコ」の正体 カカオ80%以上でも苦くない
コーヒーやウイスキーに「シングルオリジン」が流行しているように、ついにチョコレートでも、素材である“豆”にこだわる潮流が訪れた。Bean to Bar、つまり、豆から板チョコまで。原料の仕入れから、チョコレートとして販売するまでを一貫して行う製造スタイルである。日本におけるその最先端が、「Minimal(ミニマル)」だ。
同店は2014年12月、東京・渋谷区富ヶ谷に1号店を出店。2015年末から16年2月にかけ、Bean to Barブームがマスコミで大きく報道され、同店もテレビに取り上げられたことで急激に注目が高まった。初年度と翌年は成長率が約3倍、2016年も、昨年の2~2.5倍を売り上げるという成長ぶりだ。現在は富ヶ谷の店舗に加え、銀座店、白金高輪の工房・直売所の3拠点で販売を行っている。
余談だがつい最近、大手製菓メーカーと商品が「似すぎている」として、話題となった。
「まったくの偶然で、勝負している土俵も違うため、それほど気にはしていませんでしたが、お客様がたいへん心配してくださいまして。“そのメーカーとは関係していない”旨をホームページで説明しました」(ミニマル代表の山下貴嗣氏)
もともと同店はお菓子のショップとしては先鋭的なイメージのため、メジャーとまでは言えなかった。「この顛末で一般への認知が広がったと言えるかもしれない」と山下氏は苦笑する。
同業他社の客層は「男性1割未満」
同店の異色さを示すのが、高い“男性率”だ。
「ミニマルのお客様の3~4割は男性です。同業に聞くと1割に満たないそうなので、チョコレートショップとしてはかなり珍しいと言えますね」(山下氏)
だからなのか、同店では、チョコのお店にとっては稼ぎ時であるバレンタインデーを過ぎ、3月14日のホワイトデーまで同じペースで売れ続ける。男性が、女性への贈り物にするためらしい。この時期は1店舗当たり日に100~150人の客が訪れるという。
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