たとえばファミコンが発売されたのが、彼らが小学生のとき。『キン肉マン』『キャプテン翼』『北斗の拳』などを連載していた『週刊少年ジャンプ』が最も盛り上がっていたのも、団塊ジュニアがメイン読者だった時期だ。
またアニメ『機動戦士ガンダム』が放送された後、劇場版やガンプラと呼ばれるプラモデルが大人気となって社会現象化したのが、1980年ごろ。その後、続いたアニメブームも、まさに当時小学生だった団塊ジュニアが、その牽引者となった。
それだけに、この辺りのノスタルジックなサブカルネタは、雑談としてもっとも繰り出しやすい話題の1つだろう。「課長ってファミコン持っていましたか? 最初に買ったカセットは、やはり『燃えろ!!プロ野球』でした?」「先輩、ジャンプで何が1番好きでした? あ、『キン肉マン』ですか。じゃあ好きな超人は、やはりステカセキングですか?」……。ちょっとだけ王道からはずれた知識を織り交ぜつつ、彼ら世代のマニアックなノスタルジーを刺激してみるのもいいだろう。
会話をとおして上司世代をマーケティング
あるいは、赤いものを見かけたら、ひとまず『やはり、これって“3倍速い”んですかね』とシャア専用ザクをもじったセリフを言う(『ガンダム』の主要キャラクター、シャア・アズナブルが乗っていた兵器の速度が通常よりも3倍速いことに基づく)。
すきあらば『◯◯なんて飾りです。偉い人にはそれがわからんのですよ』と、ファーストガンダムに出てきたジオングをもじって何かを語るのもテッパンだ。ちなみに、このネタはバブル世代でも通じる場合が多い。
ただし、である。「ガンダムなんてまったく観ていない」という団塊ジュニア世代も当然いる。そんな人は、ことあるごとにガンダムネタで盛り上がり続ける同世代のやからに、面白くない気持ちを抱いているかもしれない。「オレ、ガンダム観てないから」と逆にムッとされることになりかねないので、気をつけたい。
バブル世代と団塊ジュニア世代に有効な会話のネタをお伝えしてきたが、ここまで読んで思う方もいるだろう。
「面倒くさい。仕事で忙しいのに、上司の喜びそうなネタなんて調べて雑談なんてしたくないよ」と。
それは違う。上司世代がどのような時代を生き、どのような興味、関心をもっているかを知っておくことは、実は、世代間コミュニケーションの壁を超えるだけが目的ではないのだ。「先述どおり、最もボリュームが大きいのがこの辺りの世代。それだけに今後も大きなマーケットとして存在するわけです。そんな彼らの嗜好をつかんでおかなければ、どんな仕事もまわりづらくなりますよね」(原田さん)。
雑談をとおして、バブル世代や団塊ジュニア世代の趣味嗜好をつかんでおくことは、業種を問わず、これからの時代を生き残るうえで不可欠なマーケット感覚を磨くことに直結するわけだ。いわば、雑談ネタなんて、飾りなのだ。偉い人にはそれがわからんのですよ。
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