上司の心をがっちり掴む「雑談ネタ」の選び方 団塊ジュニアのツボは、ガンダム以外にも?

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学生時代からアルバイトに精を出し、クルマを頻繁に乗り替えて、ブランドの洋服に身を包み、スキーウエアを毎年買い替える……。そんな「旺盛な消費意欲」もその身に染み込んでいる。「欲しいモノがない」「クルマなんていらない」「お酒は別に飲みたくない」と、「なるべくおカネを使わない」ことを是とする今の若手社員とは真逆の消費マインドをもっているわけだ。

この“落差”を利用しない手はない。

「実は最近、ちょっとだけクルマに興味が出てきまして。まったく知らないんですけど、課長のオススメの車種ってありますか?」「そろそろちゃんとしたドレスシューズを1足欲しいと思っているんですけど、何から買うのがいいですかね?」

「消費しない世代」だからこそ、おカネの使い方を聞け

消費が苦手な若手だからこそ、「上手なおカネの使い方を教えてください」と話しかければ、バブル世代は喜んで答えてくれるに違いない。実際、バブル期に身近になった質の高い商品やブランドに実際に触れ、モノの良しあしを知っている彼らの知見は貴重である。

良しあしといえば、自分の青春時代を「良し」と、きわめて肯定的にとらえているのも特徴だろう。先に述べたとおり、独自に花開いたバブル期のファッションや文化を、好奇心丸出しで質問してみるのも、バブル世代のストライクゾーンに球を投げ込むことになりそうだ。おりしも今はワンレンボディコンの女性芸人・平野ノラさんや、CMに田中美奈子さんやなめ猫といったバブル世代が好んだキャラが登場するなど、バブルリバイバルの波がきている。

「先輩も『ぶっとびー!』とか『しもしも~』とか言っていたんですか?」「実のところ、みんなジュリアナとか、MZA有明に、行っていたんですか?」「課長も、札束の入ったジャグジーに入っていましたか?」といった具合に、バブルリバイバルで得たネタをもとに「実際どうだったのか」とふってみよう。ポイントは「なんだか楽しそうですね!」という“あこがれ”目線をしっかりと伝えることだ。

そうすれば「そうなんだよ。あの頃は深夜のタクシーがつかまらなくって、1万円札を掲げながら手をあげたもんだよ」「いやいや。そんなの一握りで、『トゥナイト2』(1994年から2002年まで放送されていたテレビ朝日系列の深夜番組)でしか見たことないよ」など、いまや貴重となった好景気のリアルな息遣いを教えてくれるはずだ。

多少、思い出話が長くなりそうだが、上手に話を転がしてほしい。土地みたいに。

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