医者の「風邪の診断」はけっこう曖昧だった! それでも病院に行く必要はありますか?

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さて、良い意味でも“あいまい病名”となっている風邪ですが、その真の治療薬はありません……。

風邪を前述のように定義した場合に、その治療とはいったい、何だと思いますか?そうです、風邪を引き起こしているウイルスを「死滅」させることです。

ところが、風邪を引き起こすウイルスは200種類以上いるため、それらに共通して効果のある薬はいまだありません。またウイルスは年々変異するという特徴もあり、さらにその開発を難しくしています。真の風邪薬を作ったらノーベル賞だと言われるのはそのためです。

風邪は、自分でもある程度判断できるもの

ということで、風邪は症状から判断するあいまい病名で、病院に行ってもはっきりとはわからないわけです。ですから、自分でそれなりに判断でき、「ひとまず経過を診よう」と思えれば、病院に行くメリットはあまり見当たりません。言い方を変えれば、これぞ“セルフケア疾患“であるといえます。

風邪はこのような状況ですので、実は、医師の世界でも体系的に学ぶ場は医学部でも卒業後も、ほとんどないのが現状です。拙著『誰も教えてくれなかった「風邪」の診かた 重篤な疾患を見極める!』が医師の世界でベストセラーになったのもこの現状を反映しているのかもしれません。

風邪はセルフケア疾患であり、その専門家は患者さん自身であることが大切でしょう。

改めて確認しますが、病院に行ってはいけないということではありません。風邪として数日経過をみる方針でよいと思えるかどうかが大切です。ぜひ、今後の選択肢のひとつにしてみてください。そしてそのための方法は、次回以降の記事で詳しく説明していきます。

岸田 直樹 医師、感染症コンサルタント

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きしだ なおき / Naoki Kishida

1995年東京工業大学理学部中退。2002年国立旭川医科大学卒業。手稲渓仁会病院総合内科・医学教育フェロー、静岡県立静岡がんセンター感染症科フェローなどを経て、2010年より手稲渓仁会病院で感染症科チーフ兼感染対策室室長を務める。2014年4月、医療におけるエンパワメントを推進するため、一般社団法人SapporoMedical Academy(SMA)を立ち上げ、代表理事に就任。日本感染症学会専門医・指導医、日本内科学会総合内科専門医。「良き医学生・研修医教育が最も効率的な医療安全」をモットーに、総合診療をベースに感染症のスペシャリティーを生かして活動中。「自分が実感し体験した臨床の面白さをわかりやすく伝える」を目標に、感染症のコンサルタント、研修医・薬剤師・看護師教育など全国各地で多数の回診・講義を行なっている。著書に『誰も教えてくれなかった“風邪”のみかた』(医学書院)、『総合診療医が教える よくある気になるその症状レッドフラッグサイン』(じほう)などがある。趣味は温泉めぐり、サッカー観戦(インテルファン)、物理学、村上春樹
 

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