日本人は依然、「たばこの害」を侮っている!

喫煙が日本経済に及ぼすコストは年7兆円

日本でも喫煙者は着実に減ってはいるが(写真: ゆーせー / PIXTA)

日本の健康問題をめぐり朗報がある。2015年度の日本の紙巻たばこの販売数量が1833億本と、1996年から約5割減ったのだ。高い税率や公共の場での喫煙禁止などが、たばこ販売量減少の主因のようである。1箱450円の場合、その65%は税金だ。

1人当たり年間喫煙本数を見ると、日本は依然として182カ国中21番目。先進国で日本よりも上位なのは韓国とオーストリアだけだ。しかし14年の政府統計によると、成人男性の喫煙率は3割と、66年の83%から急激に低下している。成人女性の現在の喫煙率は10%だ。

肺がん患者も減っている。65~84歳の男性の肺がんによる死亡率は95~99年に10万人当たり302人に達したが、00~07年には1割減り、現在はさらに減っているようだ。成人男性全体の肺がんによる死亡率(年齢調整済み)は、96年のピーク時に比べ13年には12%減少している。

米国でも2006年の喫煙率は21%と、1965年から半減した。その結果、肺がんによる死亡率は1990年以降、34%低下した。こうした傾向は先進国で共通している。

電子たばこは1%程度

これは世界のたばこ販売の8割を握る大手5社(中国タバコ、フィリップ モリス、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ〈BAT〉、JT、インペリアル・タバコ)には悪い知らせだ。

こうした大手は、普通のたばこほどの危険がないとして、電子たばこの販売に力を入れている。2014年に日本の電子たばこ市場に初参入したフィリップモリスでは現在、たばこ全体の約5%が電子たばことなっている。JTは今年3月に日本で発売しており、近く海外での販売を開始する方針だ。

しかし世界の電子たばこ販売額は80億ドルと、通常のたばこの7440億ドルの1%にすぎない。また、米国がん協会は、電子たばこには常習性があり危険だと指摘している。

次ページ日本は依然として及び腰
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 最新の週刊東洋経済
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 「お金で損しない」森永康平のマネーリテラシー講座
  • 世相をリアルに映し出す 流転タクシー
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ANAとJAL、国内線で競り合う復活レースの熾烈
ANAとJAL、国内線で競り合う復活レースの熾烈
富裕層、世代でまったく異なる「お金の使い方」
富裕層、世代でまったく異なる「お金の使い方」
サイゼリヤが「深夜営業廃止」を決断した裏側
サイゼリヤが「深夜営業廃止」を決断した裏側
話題の「30分で絵を描く」秘訣、驚くほど簡単4手順
話題の「30分で絵を描く」秘訣、驚くほど簡単4手順
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
メタバース革命が始まる<br>全解明 暗号資産&NFT

不正流出事件から4年。復活不可能に見えたビットコイン相場は米国主導で活況を取り戻しました。暗号資産を使ったNFTの購入、そしてNFT取引が広がるメタバースにもビジネスの機会が広がっています。日本は暗号資産とどう向き合うのでしょうか。

東洋経済education×ICT