「タバコを吸う人」の歯がとっても危ない理由 虫歯、口臭、歯周病…子どもにも悪影響及ぶ
公共施設や飲食店などで進んできた禁煙スペースの拡大。オフィスでも分煙化が進み、喫煙者の肩身が狭くなっています。厚生労働省によると、成人の喫煙率は1990年に男性53%、女性9.4%でしたが2013年には男性32%、女性8.2%まで下がっています。
肺ガンだけではない!タバコが及ぼす悪影響
とはいえ、成人男性の10人に3人以上はいまだにタバコを吸っているのが実態です。その喫煙で気になるのが健康への影響でしょう。もっとも恐れられているのは肺ガンかもしれませんが、タバコが歯や口の中へ悪影響を及ぼすことも無視できません。
筆者は歯科医師としての知見や経験を基に、歯や口周りの情報を「ムシバラボ」というサイトで発信していますが、その中でも強く訴えていることのひとつが喫煙によって引き起こされる口の中へのさまざまな悪影響です。これは身体全体の健康にも影響を与えかねないことが近年、明らかになってきています。
タバコの悪影響がもっとも最初に及ぶのは、口の中です。タバコの煙の中には約4000種類もの化学物質が含まれており、そのうち約200種類が有害物質、発がん性物質が約70種類も含まれているという話もあります。それらの物質が口の中の粘膜から直接吸収されるのです。喫煙が口のガンである口腔(こうくう)ガンや、喉のガンである咽頭(いんとう)ガンを引き起こすこともあるのです。
口の中でも特に舌の下部の口腔底と呼ばれる部分は粘膜が薄く、さまざまな化学物質が透過しやすい部分です。狭心症の発作薬としても知られているニトログリセリンも舌の下で溶かすことで即座に効果を現すことから、その吸収の速さがおわかりになるでしょう。
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