日本男性の死亡原因第1位、女性でも第2位に入っているのが「肺がん」です。主な原因は、やはりタバコ。しかし、肺がんにも種類があり、タバコを吸わない人でも高いリスクを抱えている場合があります。
タバコを原因とする肺がんは、通常「扁平上皮がん」と呼ばれるものです。近年、国をあげての健康対策『健康日本21』で、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の原因としてタバコに関する規制が厳しくなりました。
具体的には、タバコの値上げや吸う場所の規定、歩きたばこの罰金が厳しくなるなどの施策で、これにより男性喫煙者の人口が徐々に減少。結果、現在は「扁平上皮がん」の罹患率は下降傾向に転じています。
タバコ以外にも要注目の原因がある
しかし、逆にタバコを吸わない人でも罹患する肺がん「肺腺がん」は、罹患率が上ってきているのです。
肺腺がんの原因はいくつかあり、大気汚染や、エストロゲンの過剰分泌などと考えられています。「タバコを吸わないのになぜ肺がん?」と思われる方も多いと思いますが、出張や旅行、季節の変わり目など、環境の変化で咳が出やすくなる方は、特に気をつけてみてください。
大気汚染の原因は、空気中に潜むウイルスや花粉、黄砂、排気ガス、タバコや工場からの煙が挙げられます。これらの有害物質を過剰に吸い込んでしまうと、肺の末端にある「肺胞」がダメージを受け、がんになりやすくなると考えられています。
一方のエストロゲン。こちらは女性ホルモンの一種で、主に女性のがん因子として注目されています。月経期間が長い(初潮が早く、閉経が遅い)女性や、エストロゲン補充療法を受けたことのある女性に、肺がんの発症率が高いことが報告されているのです。
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