インフルエンザのシーズンになってきました。2009年にインフルエンザパンデミックが起こった影響もあり、より注目される感染症になりました。
インフルエンザって怖い……だから、感染したのではという気がしたら、
と思っている方が多いかもしれません。しかし、事実はちょっと違います。
誤解のないように言いますが、後述するように、確かにインフルエンザには重症化しやすいハイリスク患者層がありますし、予防接種は必ず受けるべきです。
しかし、その診断、また治療のために誰もが病院に行くべきかというと、話は変わります。実はインフルエンザの診断は絶対ではありませんし、自宅療養で治る病気、すなわち“セルフケア疾患”と言えるのです。
えっ、と思われる方もいるでしょうか。「CMでも早く診断、治療のために病院に、という情報が流れているでしょ!」そう思われている方には、いち医師としては本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
もちろん、そのような考えがすべて間違いとは言いません。でも、もしみなさんがちょっと立ち止まってインフルエンザについて考えていただけるのであれば、ぜひこの記事をゆっくり読んでみてください。
インフルエンザ診療をやりすぎている
筆者は、日本は「過度なインフルエンザ診療」の状況にあると思っています。実際、秋冬は救急外来・小児科外来などは風邪症状の患者さんでごった返しています。
するとどうなるか。対処すべき救急患者さんの診療が遅れることにつながったり、十分な診療ができない、といった状況も多々生まれているのです。それに、もどかしさを感じている医師は少なからずいます。
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