母親の“愛情ある行動”に勝る教育はなし
兄弟がいることのメリット・デメリット

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グローバル化が進む中、親たちは、子供を世界で通用するエリートに育てるため、日々、努力を重ねている。しかし、若手マザーの中には、子育ての仕方がわからず、周りの助言にも恵まれないケースも多い。そこで、一般的な家庭ながら、子供を国際弁護士、国際金融マン、海外著名大学教員、公認会計士に育て上げた著者が、読者の皆様からの子育て相談に回答する。
一人っ子も増える日本の家庭。やっぱり兄弟はいたほうがいいのか?(写真:ロイター/アフロ )

今回の連載は、第1回、第2回に続いて、日本のエリート大学に通う学生たちが、どんな家庭教育を受けてきたかについて考えます。

【東京大学大学院 工学系研究科Wさんからの寄稿文】
 家庭教育で大切なのは、当たり前ですが、ポイントは「自由」と「規制」のバランスだと思います。私の両親はどちらかというと、「自由」を重んじるタイプでしたが、今、振り返ると、ダメなところはダメとしっかりと教育された気がします。具体的には、たばこを吸うのは禁止でした。
 教育にあたり関心したのが、子供に言う前に自らで実行することです。
 子供というのは、親の言うことは聞きませんが、親のすることは真似します。したがって、両親が本を読んでいれば、子供もいずれ必ず本を読むようになります。先ほどのたばこの例でいうと、両親もまず自分たちがたばこを断つことで、その重要性を私に説いてくれました。
 改善してほしかった点は、兄弟が欲しかったことです。個人的に寂しがりなところがあるからかもしれませんが、早期に自我を成長させるためにも、自分とは異なる価値観の人間が存在することを認識させるためにも、兄弟の存在は貴重だと思います。

<グローバルエリートからのコメント>

一人っ子が親不孝者に育つリスクをヘッジ

兄弟が多いことのデメリットとして、兄弟げんかが多くて親が苦労することがあげられる。しかし我が家も幼少期から姉弟げんかが絶えなかったのだが、今となってはまれに見るほど仲がいい姉弟になった。

これには見本がある。私の母の姉兄は7人もいるのに、みな仲が良い。その理由は、不満や喧嘩の種が宿っても、争うことでその母親(私の外祖母)を悲しませるくらいなら、お互いに我慢しようという暗黙の了解が習性となり、その積み重ねが結果として、仲の良い姉弟につながったというのである。

姉弟といえど、言いたいことを何でもかんでもその場で言ってはいけないという見本。ならばと私は、姉弟げんかの円満な落とし所や親孝行を、背中で見せるよう努力してきた。この立派な家庭文化が根付くのに比例して、わが家の姉弟関係も好転していき、今に至っている。

子供が幼い時、たくさんの兄弟姉妹の中で苦労することは、子供の社会性を幼少期から養う助けになる。また将来子供が助け合うことによる人生のリスクヘッジにもなるし、たとえば一人っ子が親不孝者に育ってしまうリスクへのヘッジとしても、可能な限り、複数のお子様を持たれることをお勧めしたい。

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