<パンプキンからのコメント>
隣の芝生は確かに青い
私の人生で果たせなかった後悔のひとつに、“親孝行、したい時に親はなし”だったので、子供たちにこのような形で継承されたのなら、望外の喜びです。ただし、この“立派な家庭文化”を根付かせたのが誰かさんだというのには、ほかの3人は異議を唱えるでしょう。
友人や友人の子で一人っ子をたくさん知っていますが、彼、彼女たちの多くは、「一人っ子だから性格がのんびりして弱い」とか「一人っ子だからこのような欠点を持っている」などと、姉弟がもう一人でもいたら何でも好転したかのような考え方をしています。
両親のうち、どちらか一人がいない家庭でもその傾向があり、不存在による満たされない思いは、そうでない人たちの想像をはるかに超えていると感じます。
と言いますのも、私は自分の父親が諸癖で家族を困らせていた人なので、父親のいない人をとてもうらやましく思った時代がありましたし、仲がよかった兄弟がその連れ合いのせいで仲違いし、親も巻き込んで大分裂している悲劇は、一人っ子なら起こりえないことです。
しかも仲のよい兄弟のほうが話題になるほど、兄弟げんかはよくある話です。姉弟が多ければ多いで、それはそれで育てるほうも育つほうも、そして仲を維持するのも大変で、それぞれだと思うのです。
母親が頑張ってないのに、勉強しろといっても無駄
先のアメリカ大統領選で、ロムニー候補夫人が満員の聴衆の前で堂々と放った言葉が忘れられません。オバマ夫人が優秀な弁護士なのに対し、富裕な夫人がキャリアのないのを指摘されたときのことです。
「私は5人(多分)の子供を育てるという大変な仕事に専念したきました。それは興味深いことでしたが、本当にたいへんな仕事でした!」(万雷の拍手)。
食べさせて着せるだけなら、子育てもさほどたいへんな仕事ではないに違いありません。私の知り合いのお百姓さんに、「子育てなんて大層に言うけど、昔は農作業の傍らに、転がせておいて育てたものだ」というのが口癖の人がいます。少し動くようになるとひもで農作業小屋の柱などに「くくりつけて」育てたというのです。そのようにして育った一人息子が一流校を出て旅行社を経営する傍ら、農作業もよく手伝う出来た息子なので、今風に子供にいろいろな習い事をさせ、手取り足取り子供をかまうその息子さんの嫁を揶揄するときに使う決まりセリフです。
時代が違うということのほかに、この舅と嫁の決定的な違いは何でしょうか?
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