2013年1月は、お正月おみくじキャンペーンを4日間実施した。消費者がアプリを立ち上げて、スマートフォンを5回シェイクする(振る)と、抽選で各日1000人に、「990円ジーンズ」が当たる。
翌2月は、バレンタインキャンペーン。アプリを立ち上げると表示されるハートのマークをスクラッチする(指でこする)と、抽選で5人に1人にランジェリーの無料引換券が当たるというもの。
3月には、 新しいブランドロゴの認知を目的としたキャンペーンを実施。ポスター、ウェブサイト、看板など、「GU」の新しいロゴにアプリのカメラをかざすと、サイコロが出現。サイコロをクリックすると、100円クーポンが当たるというものだ。
3~4月は冒頭の990(キュッキュー)キャンペーン。5月は、母の日のキャンペーンを行った。日頃の感謝の気持ちを、思い思いの表現を加え、メールやLINEなどで母親に送る。メッセージカードをスクラッチすると、5人に1人、100円割引クーポンをプレゼントした。
これらのキャンペーンの参加者は、いずれも40万人以上を数えたというから驚く。
最新技術を見せつけない!
実は、一連のキャンペーンは、スマートフォンの最新機能を駆使したものだ。たとえば、叫んだ言葉を識別する「音声認識技術」、シェイクの回数を判別する「加速度センサー」、ロゴを認識する「AR技術」など、IT技術の水準は高い。
しかしジーユーは、消費者にはこうした最新技術を一切伝えず、意識すらさせない。
「新しい技術をいかに消費者に見せつけないかがポイント。楽しみ、感動を与えることをとにかく重視している。最新の技術やメディアそのものが価値を生むわけでは決してない」と萩原氏は強調する。
顧客にアピールするのは、楽しさや感動。IT技術を見せつけることには何の意味もない。
消費者からは、企画への参加方法や操作法がわからないといった声は、いっさい上がっていないという。
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