20代女子の心をつかめ! ジーユーのO2O 社長公認“いたずら班”が仕掛けるやんちゃ体験

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2011年11月、ジーユーは、モバイル会員制度を開始し、紙のチラシからネットへ舵を切った。

ジーユーのターゲット層である10代後半から20代の女性に、いかに愛されるブランドになるか。その世代がいちばん身近に身に着けている媒体がスマートフォンだと考えた。いつでもどこでも、来店のきっかけを作ることもできる。このスマートフォンを軸にしたネット戦略を強化しながら、従来のマス広告、イベント、チラシのようなリアルメディアも垣根なく連携させる。

ユニクロとの立ち位置の違いも、消費者とのコミュニケーション活動の違いにつながっている。

ユニクロは、ターゲットが全世代にわたる。提供するのは、10年着られるベーシックな服だ。一方、ジーユーのターゲットは若い女性。1~2年しか着られないかもしれないが、遊び心のあるトレンドファッションを「ユニクロ価格」の半額で提供する。

ジーユーの長谷氏

「若い女性に“ウケる”コミュニケーションにしなければならない。彼女たちに流行ればヒットするというのが、今の世の中でもある。そのためにメディア戦略も、『遊び感覚』『茶目っ気』『いたずら』『やんちゃ』をキーワードにしている」と長谷氏は話す。

紙のチラシでは、もはや若い女性の心をつかむことはできない。来店客調査でもチラシの効果が激減しているのがわかった、という。現在は、閉店、開店、季節のセール時のみに絞ってチラシを配布している。

費用対効果の面でも、チラシよりスマートフォンを活用したO2Oのほうが優れている、という。

紙のチラシは、配布数が増えればコストも比例して増える。それに対しアプリは、配信人数が増えてもコストが変わらない。1人当たりのコストはむしろ下がる。紙のチラシは配布回数やサイズを大きくすると費用が高くなる。ジーユーのアプリの場合、配信頻度を増やしながらも、過去使った機能を流用するなどし、製作費を押さえている。

物理的な制限がないのも、スマートフォンやネット活用のメリットだ。面白い情報は、ソーシャルメディアなどで友だちに自動的に拡散される。紙のチラシだと、手に渡った顧客にしか情報を伝えることができない。

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