名古屋には鉄道の「未来」がある 鉄道の過去・未来が名古屋にはある

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名古屋には未来の鉄道がたくさん!

リニアだけでなく、名古屋の周辺には未来を先取りしたような鉄道がたくさん走っている。

たとえば、愛知高速交通「リニモ」は、リニア同様、車輪を持たない磁気浮上式の鉄道だ。無人運転というのもリニアと同じである。リニアのように時速500キロメートルで走ることはないが、滑らかな乗り心地や独特の加速感は車輪走行では味わえない。

名古屋ガイドウェイバス「ゆとりーとライン」というのもある。一般道を走っているときは普通のバスだが、専用軌道を走る際は運転手がハンドル操作をしなくてもカーブになるとハンドルが勝手に曲がるのが面白い。専用軌道を走るため路面電車やモノレールと同じ軌道法の適用を受ける。

ほかにも線路上と道路上の両方を走れる車両・DMVが数年前に岐阜県の明知鉄道で運行実験を行っていたし、愛知万博のときには軌道上を3台のバスが隊列を組んで無人奏功するIMTSというシステムもあった。鉄道の未来は名古屋に固まっていると言っても過言ではない。

在来線にしても30分も列車に揺られれば、今度はローカル線の宝庫だ。長良川鉄道は風光明媚な沿線風景を楽しめるし、明知鉄道は車中で地元の名産品を食べることができる車両がある。三岐鉄道北勢線は、通常の線路幅(1067ミリ)よりも短いナローゲージと呼ばれる規格(762ミリ)を採用しており、車両も通常のものよりも心なしか細い気がする。

鉄道だけでなく、駅舎もJR武豊線の亀崎駅は、1886年開業の日本最古の現役駅舎といわれている。一方で、当時の駅舎は火事で焼失したという説もある。JR東海に確認したところ、正確な資料がなくわからないとのことだが、歴史を感じさせるたたずまいは一見の価値がある。

歴史といえば、今年2月にはあおなみ線にSLが走った。私もぜひ乗りたかったが、乗車するには競争率100倍という高倍率をくぐり抜ける必要がある。私も勇んで応募したが、あえなく落選。当日はテレビのニュースでにぎわいを楽しんだ。来年以降のSL運行は未定だが、もし定期運行されるようになれば、鉄道の現在、過去、未来、すべてが名古屋に集うことになる。

名古屋市の河村たかし市長は、名古屋にSL博物館を建設して名古屋を「鉄道の聖地」にしたいと発言しているが、私は博物館などなくても、名古屋は十分「鉄道の聖地」と言えると思う。名古屋にはすでにリニア・鉄道館もあるし、ぜひ一度、名古屋の鉄道に乗りに来てください。

(撮影:梅谷秀司)

大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げる。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に現在は鉄道業界の記事を積極的に執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京五輪・パラにボランティア参加。プレスチームの一員として国内外の報道対応に奔走したのは貴重な経験。

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