受験ママに目覚めた瞬間
当時の私は、塾の成績に関心を持たず、塾さえ行かせれば志望校に受かるという認識になっていました。半年ほどたったある日の塾の懇談会で、成績優秀な子の顔見知りのお母さんが、「私の子は、全然家でも勉強しないのに、トップを取っている」と自慢したのです。わが子がトップクラスからは、かなり遠くにいるのも、そのとき知りました。
負けず嫌いの私の競争心に、火がついた瞬間でした。その時トップだった子に、一度だけ成績で勝たせようと思いました。私は40歳になっていましたが、4科目の順位を決める試験の範囲を、息子が学校に行っている間に勉強し、息子に噛んで含めるように教えました。その特訓が実り、息子はトップかそれに近い成績を取りました。
その後は本人も勉強が面白くなり、脱落することに対するプライドも芽生え、二人三脚で走りました。しかし、なお人一倍、遊びたがりで落ち着かない。この子を合格へと導くために私が取った行動を紹介しましょう。
遊びたがりで落ち着きのない我が子に、私が施した教育
たとえば算数の場合、息子が20問ほどを解かねばならないとき、病弱の姑の世話や親戚づきあいで忙しい合間に、私は40問ほど解いて、最も有効な20問を選び出しました。そうすれば、この子は20問解くだけで、40問解いた子と同じ理解度に到達するわけです。
この二人三脚のやり方であれば、一度に40人ほどをみている塾の先生よりも、何が苦手で何を理解していないか、いち早く把握できます。まさかこの歳で重箱の角をつつく問題に取り組むことになろうとは、その時点まで考えもしないことでしたが。
最終的に息子は、京都の当時の最難関受験校に合格しました。今や押しも押されぬ外資系の国際金融マンとして自称・活躍している息子ですが、原点はこのときの二人三脚にあります。 広義には社会的な貢献としてみることができますが、狭義には親にもその果実はもたらされるわけです。
いちばん大事なときに、その子供に合った教育ができる人は誰でしょうか。その最も至近距離にいるのは、親です。余程優秀な子は別ですが、「右へ倣え」では伸びる子も伸びず、果実も実らず、種のまま永遠に土の中で、となりかねません。息子の場合は、ザリガニ捕りとスーパーマリオのプロにはなれたかもしれませんが……。
※ 次週より、みなさんの具体的な育児・家庭関連の相談に、ミセス・パンプキンさんが答えていきます。子育てに関する相談のある方は、こちらのフォームからご応募ください。
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