“日本化”する、90年代生まれの中国男子 日本の「ゆとり社員」とそっくりな新人類

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90後と一緒に働いている友人たちは、彼らの主体性のなさも口をそろえて指摘します。私のような80後は、自己主張が強く、どうしても「俺が」「俺が」になってしまいがちで、特に日系企業では、上司からすると扱いにくい存在だと思います。

それに対して、90後は自己主張が少なく、しかっても何の反論もしない。メモをとって素直に「はい」「はい」とうなずいているけれども、本当に聞いているかどうかはあやしい。実際、何回注意しても同じことを繰り返す。そして、自分からは何も質問してこない。今の仕事が楽しいのかつまらないのかもよくわからない……。この感じ、日本のゆとり社員の傾向とよく似ています。

80後であれば上司や先輩に対してリスペクトしますが、上下関係の感覚も90後はあまり持っていないようです。特に新しいメディアやソーシャルツールにおけるコミュニケーションは非常にカジュアルです。弊社では数多くの90後の大学生をインターンとして採用しているのですが、あるプロジェクトで一緒に仕事をした際、普段のやり取りは一般的なのですが、メールやWechat(中国版LINE)だと私を含めたメンバーに対して、まるで友達に話すかのようにフィードバックを行います。これも80後の世代ではなかなか考えられないことです。

大学生は自由な恋愛を謳歌

勉強のほうも、以前ほどはしていないようです。私の時代は、大学受験でいい点を取って、いい大学に入り、有望な会社に入るのが唯一の出世街道と言われていました。私は山東省にある全寮制の進学校に行っていたのですが、基本的に朝8時から夜の10時まで授業があって、そのほかの時間もずっと勉強していました。徹底的な詰め込み教育で、すべて暗記。「英語の辞書も全部暗記したら、きっと英語ができるようになるはずだ!」という滅茶苦茶な理論で、暗記させられました。確かに、英語ができるようにはなりましたが……。

そんな状況ですから、恋愛なんて絶対禁止です。高校の男子寮の隣に女子寮がありましたが、夜、寮に帰るときは先生が見張っていました。生徒が恋愛をしないようにです。「恋愛をすると、成績が下がるから、恋愛をするな」と言われていました。男子と女子が手をつないでもダメ。大学でも、教室でキスをしたカップルが退学処分になり、それが社会議論になったくらいです。

しかし、90後に話を聞くと、今はかなりオープンになっているようです。大学生は自由に恋愛をしているし、高校生も表向きは恋愛禁止ですが、大多数が異性と交際しているとか。これはかなり大きな変化です。  

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