この約1年の間に、彼は何度も約束を破っては彼女の元に走っているのですから、普通は夫婦関係の継続は、難しい仲ですね。問題はあなたがまだ、夫を愛しておられることです。自尊心を踏みにじられては「あなたが本命」と言われ、気持ちがズタズタになりながらも、何度も気を取り直して努力してこられたのですね。
離婚する夫婦は、相手が沸かしたコーヒーさえ飲めず、相手が履いていたスリッパを見ても、蹴とばしたくなるのだそうです。あなたが、大切な子どもたちの父親であり、19年間も夫婦だけで共有する歴史を共に刻んできた彼に、今も後ろ髪をひかれている間は、まだ離婚の時期ではないと思います。
私の近所に大繁盛しているA医院と、いつも患者がいないのに40年以上続いている不思議なB医院があります。A医院の先生はいつも明快に病名をいってくれて薬を大量にくれるので、特にお年寄りに絶大な人気です。
病院のはしごをしている人に聞きますと、B医院の先生は普通なら検査して薬を出してくれるケースでも、「中年以降は健康な人でも、探せば病気はどこかにあって当然。医師も患者も病名をつけて安心する傾向があるが、そのほうが危険ですよ。この程度なら薬に頼るより、適度な運動と適度な食事を」と診断され、薬の処方もほとんどないのだそうです。そしてB医師がそのように診断した病は、本当に薬がなくとも治るスピードは、A医院と同じなのだそうです。
病気のことをあまり考えないほうがいい
なぜこのお話から始めたかと申しますと、彼が躁鬱などの病気かどうかの周囲の詮索には、この際あまり乗らないほうが良いと思います。病歴や生い立ちから、彼はよく病気状態になるといえば病気かもしれませんが、それも含めてあなたはこれまで、彼のパートナーでした。
彼を理解するうえでそれらを考慮するのはいいのですが、今更それを問題視するのは、妥当でないと思われます。ましてあなたも言及されておられるように、彼は薬の処方も終わるほど回復しています。
軽く考えてはいけない病ですが、その診断を下されていない人でも、もっと支離滅裂な行動をする人はザラにいますから。
パートナーの一度の不倫で絶望し、離婚に至る人もおれば、数年間(長ければ10年以上も)愛人宅から帰ってこない夫を待ち続け、元のさやに収まった夫婦もいます。前者は潔癖すぎたのか、妻から夫への愛情が純粋過ぎた分、裏切られ感が強かったのか。後者の妻は倫理観や道徳観が欠如していたのか、鈍感だったのか。
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