若者は、生意気なくらいがちょうどいい 気鋭の若手監督が語る「継承」の手法

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今できることを精いっぱいやっていく、ただそれだけ

石井裕也(いしい・ゆうや)
映画監督
1983年埼玉県生まれ。大阪藝術大学の卒業制作として2005年に監督した『剥き出しにっぽん』が第29回ぴあフィルムフェスティバル「PFFアワード2007」でグランプリを受賞。その後、2010年に第19回PFFスカラシップ作品『川の底からこんにちは』を発表。第53回ブルーリボン賞監督賞を歴代最年少で受賞したほか、多くの映画賞に輝く。

――石井監督ぐらいの20代、30代前半の世代が、サラリーマン社会でリーダーになって、年上のスタッフと一緒に仕事をするというケースが出てくる。そんなときのアドバイスはありますか?

僕は会社員ではないので、サラリーマンのように年齢が上がっていけばいくほど、役職が大きくなるということはありません。たとえば5年後には落ちぶれているかもしれないですし、10年後はもっとひどくなっているかもしれない。だから年齢のことはそんなに気にしていないです。要するに、今できることを精いっぱいやっていくという、ただそれだけかなと思っているんです。

――一期一会的なところもあるからということですね。先ほど生意気だからというお話を踏まえたうえでいいのですが、年上の人と仲良くやる方法はありますか?

僕はそもそも仲良くしようとは思っていないんです。むしろ、いい作品を作るために、どうやったら協力できるのかという考え方なんです。とはいえ、経験値や知識の量で言えば、明らかに年上の人のほうが多いので、自分はこうしたいんですけど、そうするためにはどうしたらいいかということを、教えてもらうようにしていますね。

生意気なくせに甘えてみるというか。そして甘えたにもかかわらず、最後は自分で決めます。ただ、これは僕個人はそうしているというだけなので、参考にはならないと思います。

(撮影:尾形文繁)

壬生 智裕 映画ライター

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みぶ ともひろ / Tomohiro Mibu

福岡県生まれ、東京育ちの映画ライター。映像制作会社で映画、Vシネマ、CMなどの撮影現場に従事したのち、フリーランスの映画ライターに転向。近年は年間400本以上のイベント、インタビュー取材などに駆け回る毎日で、とくに国内映画祭、映画館などがライフワーク。ライターのほかに編集者としても活動しており、映画祭パンフレット、3D撮影現場のヒアリング本、フィルムアーカイブなどの書籍も手がける。

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