
35ミリ撮影で映画に向かう姿勢を継承した
――近年はデジタル撮影が主流になってきていますが、そんな中で今回、本作を35ミリフィルムで撮影した理由とは?
まず、原作に引っ張られた部分があると思います。今でこそ辞書作りは全部パソコン上でやる作業になっていますが、この映画の舞台となっている1990年代までは、一語一語、手作業でカードに書いた。そういうことをやっている編集部の人たちの映画を撮るならば、映画のスタッフ側も、そこに寄り添わなきゃいけない。みんなで相談して決めたわけではないですが、こういう映画を撮るんだったらそうだよね、というムードがあったんです。
もうひとつの理由として、この作品が「継承」をテーマにしていることがある。辞書作りは1年や2年のスパンで完成させられるような仕事ではありません。何人もの編集者たちがどんどん次の世代に引き継いでいき、言葉を次の世代につなげていくというところがあります。


















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