何かにつけ不確実性の高い現代。一生安泰の仕事も、未来永劫つぶれない企業も存在しない。自分の仕事に明日があるのか――それをつねに考えておかないといけない時代だ。 この連載では、悩めるビジネスパーソンからのキャリア相談を募集。外資系金融、コンサル、ライブドア、企業再生コンサルなどを渡り歩き、数多くの業界やスタートアップに精通する塩野誠・経営共創基盤(IGPI)パートナーに、実践的なアドバイスをしてもらう。
リスクとリターンが合わなくなりつつある
今回は監査法人にお勤めの20代後半の公認会計士の方からのご質問ということで、若手公認会計士のキャリアについてお話しさせていただきます。
私の勤めるファームでも監査法人出身の公認会計士が多く、また、採用面接でもよくお会いしますので、そこでの私の所感を交えてご説明できればと思います。
まず公認会計士を取り巻く環境ですが、2006年の新試験制度から合格者が前年の2倍以上に増え、大手監査法人への就職や監査法人内部での昇進が難しい状況になっていきました。一昔前のように大手監査法人のパートナー(監査法人における経営陣にあたるメンバー)を目指し少数の合格者が一斉に競争し、パートナーになったら安泰という状況ではなくなっています。
まずパートナーになることが難しくなっており、もしも厳しい競争を勝ち抜いてパートナーになったとしても、何か企業に不祥事が起きたときには責任を追及される監査報告書にサインすることは、ある意味でリスク・リターンが合わないものになっています。
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