そして大学を卒業する前後になって、やりたい職業のイメージやなりたい自分像を具体的に持てている人が多いかというと、これまたそんなことはないのが実情です。したがって、そういった将来像をユリさんとして「現時点で」持てていないことが、大学に入ることの障害とはなりません。
では、そもそもなぜ大学に行くのかというと、仕事と関係のある分野でいうと、理想として持つべきは大きくは下記ではないでしょうか。
1.幅広い分野の勉強を通じて、自分の興味のある分野を知る(自分自身の知的好奇心の矛先を探る場としての大学)
2.世の中にある仕事に関する情報収集を行い、1の興味の矛先との関連で将来自分にとっての職業となりうる仕事を見つけ出す(社会とのファーストコンタクトのプラットフォームとしての大学)
これに加えて、大学が仕事をするための基礎スキルの提供という意味での職業訓練的な場となれば言うことはないのですが、悲しいかな日本の大学にそのレベルを期待するのは無理でしょう。こればかりは自分自身で外部のスクールに行くなどで工夫をしないといけません。
いずれにせよ、将来やりたいことを見つけるための場としての位置づけで大学を考えてもかまわないと思います。実際、多くの学生がそういったスタンスでしょう。
逆に言えば、将来やりたいことがあるのであれば悠長に大学に行ってないで、今すぐにでもやるべき、とも言えます。一代で事業を立ち上げたような人で大学に行っていない人が決して少なくないのはこういった理由です。
大学は「入ること」が目的ではない
お恥ずかしい話ですが、私自身も大学に入学した当時は将来やりたいこともありませんでしたし、そもそも世の中にどんな仕事があるかすらわかりませんでした。実は高校も3年生になるまではほぼ勉強もしていませんでしたから、勉学という意味でも好奇心も何もなかったのです。
そんな状態でしたので、仕事を開始するまでの暇潰し的な感覚で大学に行ったわけですが、どうせ行くなら投下した資金と時間をフルに回収するべく、上記の2つの目的に合わせて行動を開始したわけです。したがって、スタートはユリさんと変わりませんし、繰り返しですがほぼ皆そんな状態です。ですから、そこは問題ではありません。
しかしながら、大学は「入ること」が目的ではなく、あくまでも上記の2点が目的であるべきです。ですから、入学されることを決断されるのであれば、4年の間に上記2点を自分として成し遂げる覚悟をもって入学されるべきです。それに対して自信がなければ行く意味はないと断言できます。
ここでちょっと視点を変えて、なぜ、親族は「大学に行け」、と言うのでしょうか?
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