テレビだけで職業を決め込むのは間違いだ 自分自身の「経験」をきっかけにしよう

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フランス文学を研究したいのですが、どういうキャリアを目指したらいいのでしょうか?(撮影:Graphs / PIXTA)

→安井さんへのキャリア相談は、こちらまでお送りください。

私はフランス語が大好きで毎日文学を読み、勉強して自分の力をつけています。しかし、研究者になろうと思っても社会人ですし、今から教授を目指すといってもアラサーで貧困状態になるのもつらいですし、なるのも難しいです。このままでは、キャリアが自分の魂のものではなく、アイデンティティの一致がなく、つらいです。学校や塾の先生にも興味ないです。あくまでフランス文学を研究したいのです。
このまま魂のない仕事をするくらいなら、昔、ドラマを見てなろうと思った弁護士にでもなったほうが、そこでまあまあの魂を感じ、おカネにも困らず文学の勉強もできるのかと思ってしまいます。どうすればいいでしょうか。どういう考えでいけばいいでしょうか。
川島智

パッと考えて浮かぶものがすべての選択肢ではない

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何事もまじめに注力できる対象があることはとてもよいことですね。何も注力する対象をひとつに絞ってしまう必要はありませんが、川島さんの場合、少なくとも現状はフランス語以外に熱中できる対象はない、ということかと思われます。

さて、そのような中、好きなことを仕事とするか、それともそうでない対象を仕事とするかについて悩まれているのだと思います。その前にまず、その昔ぱっとドラマで見たような印象だけをもって仕事を決めようとするのはやめましょう。

仕事を選ぶ際に、ご自身で興味のあるフランス語かその他か、というアプローチで考えられているかと思いますが、「その他」ももう少しまじめに検討するべきだと思うのです。そして「その他=フランス語以外の何か」ととらえる必要もありません。パッと考えて自分の頭に現時点で浮かぶものが、川島さんにとってのすべての選択肢では決してありません。世の中にある仕事をどんどん研究して、何であれば少しでも自分が興味を持てるかをもう少し丁寧に探すべきです。

興味がありそうな分野があれば、とりあえずその分野を勉強してみる、アルバイトやインターンで働ける可能性があるならばやってみる。とにかくイメージで考えずに、実際に体験をしてみるべきです。その結果、合わなければやめればよいですし、自分に合えばしめたものです。

私自身も学生時代にどの分野に注力するかを考えた際、やはりまずは先入観を持たずに興味の対象となるストライクゾーンを幅広に取り、それぞれの分野の関連の資格などの勉強をしたり、セミナーなどに出掛けて話を聞きにいったりしたものです。

そしてその結果として、自分に合いそうな分野を見つけました。

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