根拠さえわかれば、人々は動き出す
大野さん:『mañana(マニャーニャ/明日)方式』というものがあります。「明日、インターネットを接続しに来る」と言えば、日本人は次の日に来るだろうと待っていますよね。でも、何度も「明日」と言われて待っていても、来ないことがあります。
カメタさん:「あと5分」と言う言い方もよくしますが、それも「後で」という漠然としたものなのです。
――そのようなとき、メキシコ人を動かす方法はありますか?
ゴンザレスさん:「何のために必要か?」「誰のために?」「誰のメリットになる?」「社会的にどうなる?」をはっきり説明することです。具体的なことを分かったうえで、動きたいのです。例えば「明日、孫が遊びに来てテレビが必要になるので、絶対明日までに必要」と言うと、「それは必要だ」ということで動きます。その仕事がなぜ必要かをしっかりと伝えていくことが重要なのです。
大野さん:日本の観念をそのまま持って行こうとすると摩擦が起こるので、その国の文化をしっかりと知る事がとても大切です。身だしなみについてもそう。メキシコ人は朝、お風呂に入る文化です。だから髪の毛などもとても整っています。でも日本人は夜、お風呂に入るので、寝癖などがついているときがあり、それはだらしなく見られます。
カメタさん:メキシコは貧富の差があるので、ビジネスではよい時計を持っていたり、ブランドものを持っていたり、色使いなども少し派手なところがあります。それは「ちゃんとビジネスがうまく行っていて信頼できる」という印象を与えるために必要なことです。香水もよく使うので日本人には最初は厳しいかもしれませんね。
――挨拶の仕方などはどうですか?
カメタさん:“Abrazo(アブラゾ/ハグ)“ですね。普通の挨拶は握手でいいのですが、仲良くなったらハグ&キス(1回)です。日本人はあまりハグに慣れていないので、ハグのときは手が下の方に行き過ぎないようにしてください。男性同士などは仲良くなるとハグの後に肩を叩いたりします。
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