移民の国カナダで、"ケベックが最強"の理由

「フランス語」も「トレーサビリティ」も、生き抜くための手段?

移民が多く、「モザイクの国」と呼ばれるカナダ。その中でも、競争力で突出するのが「ケベック州」である。フランス語をひたすらに守る頑固さを持ちながら、一方で、さまざまな国の文化が同居する、独特の地域として存在感を放っている。いったいケベックは、どんな生き残りの戦略を持っているのか。ケベック州政府在日事務所代表・クロード ・イヴ・シャロンさんに聞いた。

――移民が多いカナダですが、移り住んだ人々はカナダになじみながらも、元の国の文化を保ち、言葉も使っています。そのため、イタリアの文化が濃い場所、ウクライナの文化が濃い場所があったり、とても面白いです。それをいちばん象徴しているのがフランス語の文化を保った「ケベック」ですよね。

シャロンさん:そうですね。ケベック州は日本の5倍の大きさがあるのですが、約100カ国からの移民を受け入れていて、とても多様性があります。

まず知っておかなければいけないのは「Politeness(礼儀正しさ)」が国によって異なるということです。日本で「礼儀正しい」ことをケベックで行ったら「失礼」になることがあります。そのひとつは「Silence(沈黙)」です。

日本では会議にでたら若手は少し控えて、上司が発言しますよね。それが「礼儀」です。上司を差し置いて話すと「出過ぎ」と思われます。ですが、ケベックでは会議にでたら若手だろうと、上司だろうと男性だろうと女性だろうと全員が活発に議論を交わさなければなりません。上司よりも先に話さないといけないぐらいです。

発言しないと、無関心とみなされる

会議に出るのは、発言をして意見を交わすためです。それが「礼儀」です。ただ座って静かにしていることは無関心と見なされ、失礼になり、ビジネスがうまくいかないリスクが生じます。ケベックの人は議論やブレーンストーミングが好きで、参加しているすべての人が話し、質問もします。その話し合いにより最善策を考えるのです。

――日本人も意見を言い、ディベートをする訓練をしておかないといけないですね。

シャロンさん:そうです。例えば日本の大学では授業のほとんどの時間、教授が話をし、学生はそれを聴いていますよね。ケベックでそんなに長く講義をすると学生に怒られます。

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