弁護士から金融業界へ
塩野:この連載は、いま活躍しているプロフェッショナルのキャリアストーリーを探る、というものです。「お金のデザイン」そのものについて聞く前に、まずはキャリアパスから伺います。北澤さんは弁護士ですよね。なぜ金融業界へ?
北澤:私は幼少期から中学校までアメリカに住んでいました。日本企業にいた父はジャパンバッシングに苦しんでいました。「日本人はコミュニケーションの時点でハンデを負っているなあ」と感じていました。
弁護士になるなら、言語能力や法律知識を高めて日本企業の海外進出に寄り添える仕事がしたい。それならば社会の役に立てると思いました。そこで、2002年に外資系の法律事務所、ポールヘイスティングスに入りました。
日本の大手法律事務所にいる中堅どころのエース級の方達もどんどんと新しいことを求めて移籍してきていた時代です。ピーク時には日本人が30人位いた中で、キャリアをスタートしました。
塩野:いわゆる渉外弁護士になって、どんな案件を手がけられましたか。
北澤:ウォルマートが西友を買収する案件などですね。その後、2006年にアメリカのロースクールに行き、卒業後ニューヨークのポールヘイスティングスのオフィスで働いていました。その後、2008年からモルガン・スタンレーの投資銀行で不動産のカバレッジの仕事を始めました。
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