北澤:金融サービスは専門性と資本力がある人と、そうでない人のギャップがあります。情報量や手数料にも差があって、勝ち組と負け組が固定化されてしまっている。これを技術によって是正できるのではないかという問題意識を谷家が持っていたんです。
塩野:プロ向けと、一般投資家向けの間に横たわる問題ですね。
北澤:僕自身も、その問題意識は弁護士時代から持っていたのですが、テクノロジーを使ってカバーできるようになるかもしれない。それが「ロボアドバイザー」というもので、専門家だけのものだったサービスが、一般の方も使えるようになる。「これは革命なんだよ」という、言葉に誘われて、立ち上げに参加しました。
塩野:誘いにすぐに乗ったのですか。
正しいことをしようと転職を決意
北澤:近しい人達は「転職しちゃえば」と言ってくれました。幸か不幸か家族もいないので、巻き込む人間も少ないということもあって、転職を決意したのです。もし子どもがいたら、「学費が払えないから、学校変わって」と言わなければならなかったですから。
塩野:「お父さんはロマンを追いかけるからごめんね」とは簡単に言えない。
北澤:背負ったものもなく、客観面でもリスクも少なく、ロジック積み立てて悪くないかもと思いました。
「お金のデザイン」は正しいことをしようという意志を持った人間の集団で、手前みそですが、優秀な人間がいて、それぞれがリーダーシップを発揮している会社です。そういう会社は船頭多くして、が起こりがちですが、ボトムラインで共通意識があるので前に進めているところはありますね。
塩野:入った時の年齢は38歳ですか。38歳で4名のベンチャーに飛び込んでいったわけですね。次に一番知りたいことを聞きますが、ロボアドバイザーというのは、そもそもどんなサービスなのでしょうか。
北澤:我々はお客様の資産をお預かりする第一種金融商品取引業者の資格を持っていますし、お客様に代わって資産を運用できるライセンスもあります。具体的には完全ウェブ型でお客様を診断し、ポートフォリオを提案して、お客様の承認を元に、海外で40種ほどあるETF(上場投資信託)を買ってきて、お客様の代わりに運用します。今年2月からローンチした「THEO(テオ)」というサービスでは10万円から開始できます。
塩野:御社はフィンテックの文脈で取り上げられることが多いと思いますが、従来の金融とはどこが違うのでしょうか。
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