米倉千貴氏が率いるal+(オルツ)は今年に入って6億円の資金調達を成功させた人工知能のベンチャー企業。「パーソナルAI」を標榜し、グーグルなどに牛耳られつつある"人工知能の民主化"を目指す。米倉氏は「1人でやれること」を究極に拡大するためにAI活用を目指す。ゲームや出版で急拡大した「未来少年」の社長時代に、社員を雇えば雇うほど効率が悪化した苦い思い出が、米倉氏を最強AI開発に駆り立てている。
米倉氏はキャリアストーリーも、驚くほど破天荒だ。そんな米倉氏にAIベンチャーへの投資にも力を入れている塩野誠氏が初対面。盛り上がった対談を3回に分けて掲載する。今回は、その第2回。(編集部)
「1人だけでやる」にこだわった
塩野:前回はIPOが視野にある企業の事業部長の座をかなぐり捨てて退社したことまでお伺いしました。時代をかなり先取りした形で、フリーエージェントとかノマドの世界にいっちゃいましたね。
米倉:当時そんな言葉はありませんでしたが、まさにそういう状態でした。
一人で始めるにあたって業務量を極端に減らさないと、すぐにパンクしてしまって、規模が出せないと考えていました。業務量を減らす構造作りを意識していて、まず最初に提携先を作ろうと考えました。
「コンテンツをプロデュースします」というモデルで、企画からサービス設計、開発設計、クオリティチェックまでやりますよ。その代わり、開発費と開発者とその他のコストは持ってくださいというものです。
塩野:自分は頭脳だけやりますので、あとは提携で処理をお願いします、と。
米倉:仕事を極力減らすにはそれしかないと。自分にとって都合のいいモデルは何かと逆算していった結果ですね。先方にも都合がいいかは、ばらまいてから考えようと。実際すぐに契約できました。
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